吉本新喜劇との化学反応で観客の心を一つに 「ヨシオクボ」20周年の集大成
コレクションは集大成
得意のリラックススポーティー
肝心のコレクションは、「ヨシオクボ」の20周年の集大成だ。基調は、得意とするリラックススポーティー。ブルゾンの身頃や袖にたっぷりとギャザーを寄せたり、無数のファスナーを這わせてシルエットを自由に変えたり、圧倒的なステッチワークを加えて迫力ある柄に仕上げたりのアプローチで、無機質になりがちなスポーティなスタイルにデザイナーズブランドとしての意匠をプラスする。同じようにギャザーを寄せたアイテムでも、ブルゾンもあればシャツもあり、光沢のあるナイロンタフタを使ったかと思えばシャリ感のある素材に変更したり、素材に合わせて色を微細に変更したり。以前教えてくれた、「自分で色を作りたくなるくらいカラーリングにもこだわり、より縫い代が短くなるように縫製にもこだわるのがデザイナー」という金言を思い出す。
フィナーレには、久保本人も登場。そして借金取りが請求した300万円を肩代わりしてくれた島田に「このうどん屋を使ったらえぇ」とショー会場を提供した間が「会場使用料300万円です」と言うと、芸人も、久保も、モデルもズッコケる大団円で幕を閉じた。久保は、これからも新しい発表方法を模索するという。20年間第一線を走り続けた人だからこその、洋服のデザインだけに収まらないファッションへの愛の表現方法が楽しみで仕方ない。