野茂氏前から23年続く日本人メジャーデビュー記録が途絶える?それとも
メジャーリーグの公式ホームページがダイヤモンドバックス傘下のマイナーリーグでプレーし、メジャー昇格を目指す中後悠平(27)の特集記事を掲載した。 記事のタイトルは「Dバックスの中後悠平は、23年連続記録を更新する一番の期待かもしれない」というもの。23年連続記録とは、メジャーリーグデビューする日本生まれの選手が23年連続していることを指している。1995年に野茂英雄氏がドジャースからメジャーデビューを果たしたが、メジャーリーグ公式ホームページによると、野茂氏より1年先に1994年に日本で生まれたジム・ボーイという選手がメジャーリーガーになっている。そのため、1995年から22年間連続ではなく23年連続と捉えている。 「昨オフには、大谷翔平のようなスーパースターがポスティングで日本から来ることもなく、フリーエージェントのベテランが海を渡ることはなかった。今、マイナーには、まだメジャーデビューを果たしていない2人の日本生まれの選手がいるだけだ。これは23年間連続記録が途切れるかもしれないことを意味している。ブルワーズのマイナーにいるダニエル・ミサキは、昨年、トミー・ジョン手術をし、1Aより上でプレーしたことがない。唯一の望みはDバックスのマイナーにいる中後悠平だ」と、昨オフの状況や、日本生まれの日系ブラジル人ミサキについても解説しながら、中後を紹介した。 ロッテ時代の中後の動画を掲載し、「特色あるサイドスローの左腕で大学からプロ入り時には大いに期待された」と書き添えている。 そして、「しかし、不運なことに多くの若い選手と同じように、彼はストライクを投げることに苦しんだ」とロッテ時代に制球難に陥ったことについても触れた。 執筆したクレア記者は、「中後がロッテを解雇された後、日本のテレビ番組で取り上げられた。番組では伝えられていなかったが、Dバックスのマック・ハヤシ環太平洋スカウトは以前から中後を追いかけていたのだ」と伝えた。 Dバックス育成部トップのマイク・ベル氏は、「うちは彼を期待の選手と認識していた。ハヤシは選手を見極める素晴らしい目を持っている」とのコメントを寄せて、中後とマイナー契約したことを幸運と考えていると明かした。 また中後がかつて和製ランディ・ジョンソンと呼ばれたことについても、「中後はジョンソンの速球ほどではないが、90マイル半ば(約150キロ)の速球とスライダー、いろいろな腕の角度を使い、昨シーズンは4つのレベルで防御率1.23をマーク。これによってスプリングトレーニングでは、メジャーキャンプに参加することができた」と、昨季のマイナーと今季の春のキャンプでの成績を伝え、中後がスライダーで三振を奪った動画も掲載した。 ただ中後は春のキャンプ中にマイナーキャンプ行きを通達されている。 「中後は2Aに戻って開幕を迎えた。よいニュースもあれば、悪いニュースもある。彼は今も三振を奪い続けている。悪いニュースは5月始めに不振に陥ったことで5月9日には防御率が6点台に達してしまった。しかしそこから復調し、8回2/3を無失点に抑えた」と今シーズンの成績を説明した。 記事によると、Dバックスのベル氏は、「ユウヘイはうちのチームで投げ始めてから、とてもよいピッチングをしてくれている」と発言したという。 同記事は、「Dバックスの中継ぎ陣には2人の左腕投手がいるが、日本のビッグユニットと呼ばれた中後の未来は明るい。Dバックスは彼はメジャーリーガーになれる能力があり、チームに貢献できると信じている」と、中後のメジャー昇格に大いに期待して締めくくられているが、23年連続の日本人メジャーデビュー記録を中後は、継続することができるのだろうか。