スズキ車の概念を変える? デザインも存在感も新しいインド製SUV「フロンクス」
その点フロンクスは人気のSUVだし、ライバルたちも多くが3ナンバー幅だから、車幅がネックとなることはないだろう。1.5リッター自然吸気のエンジンスペックはWR-Vと同じで、燃料はレギュラーガソリンだ。 価格次第ではあるが、ここまでの内容を見る限りでは、フロンクスの競争力はそれなりにあると判断できる。 ■個性を出そうという意志のあるデザイン スタイリングは、角張ったWR-Vとは対照的で、低くて流れるようなプロポーションだ。これは、スズキがフロンクスを「クーペSUV」と位置づけたことが大きい。ホンダで言えば、さらに大柄にはなるものの、「ヴェゼル」に近いキャラクターと言える。
オフィシャルサイトで紹介されているデザイナーのコメントでも、バックドアを大きく傾斜させたクーペスタイルとして、「スタイリッシュで都会的なイメージを表現した」としている。 それでいて前後のフェンダーまわりは明確に盛り上がっており、フロントはヘッドランプ、リアはサイドシルから線をつなげて、ボディ全体での一体感を演出。さらにリアにはブリスターフェンダー風の処理も加えている。 個人的には、もう少し要素を少なくしてほしいところだが、にぎやかなデザインを好む日本人が多いことも事実。SUVらしいブラックのフェンダーアーチをつけてはいるものの、このフェンダーラインはクーペ的で、かなりダイナミックな雰囲気だ。
フロントフェンダーからつながる前面は、SUVらしい力強さを醸し出す大きめのグリルの上にシルバーのラインを入れ、そこからLEDを用いた細めのデイタイムランニングランプにつなげて、下にヘッドランプをまとめる。 ランプの配置は三菱自動車のSUVを思わせるものの、シルバーの細いラインでヘッドランプをつなげるなど、その中で個性を出そうという意志を感じさせるデザインだ。 リアは、最近のトレンドでもある左右をつなげた横一文字のコンビランプと、その下のボリューム感あるフェンダーやバンパー、かなり上まで立ち上がったグレーのアンダーガード風処理で、クーペの豊かさとオフローダーのたくましさがうまく両立していると思った。