川西が農林水産大臣賞 農業農村整備優良地区コンクール 人材育成など評価【山口】
山口市深溝の農事組合法人「川西」(小林紀代士代表理事)が、2023年度農業農村整備優良地区コンクールの農業振興部門で最高賞に当たる農林水産大臣賞に市内で初めて輝いた。ほ場整備で改良された農地での複合経営による生産量拡大や人材育成、ドローンなど最新技術を導入したスマート農業などの取り組みが高く評価された。 同コンクールは、農業に関わる生産性を向上する事業に取り組んだことをきっかけに、農業所得が向上したり、農村の活動が活性化している地域を表彰するもの。 同法人は、06年度に始まった川西地区のほ場整備事業を契機に08年に発足。現在、面積108・6㌶の農地を管理し、水稲、大豆、麦、野菜の複合経営を確立している。耕地利用率は約150%に向上し、大豆や麦類の作付面積が大幅に増加し、生産を飛躍的に伸ばしている。 担い手確保にも力を入れており、県立農業大の卒業生を積極的に採用。15年からこれまでに5人が就業した。若手職員にスマート農業を任せ、経営管理やマーケティングの職場外研修を経験させるなど人材育成を図っている。休憩室やシャワー室を設け、育児・介護休暇制度、週休2日制を導入し、労働環境も整備した。 18日には小林代表理事と若手職員計6人が市役所を訪れ、伊藤和貴市長に受賞を報告。小林代表理事は「法人を維持していくために一番大事なのが若い人を確保し、今後につなげることだ」と考えを示した。伊藤市長は「若い人が現場にいて、昔の農業のイメージを刷新するようなこれからの農業の模範だ」とたたえた。