「挑戦している人っていいな」ソフトバンクからFAで巨人移籍の甲斐拓也 同期メジャーリーガーにも相談 阿部監督のラブコールも「野球選手としてうれしかった」
国内フリーエージェント(FA)権を行使し、ソフトバンクから巨人に移籍した甲斐拓也捕手(32)が「野球選手として成長するために覚悟を持って挑戦したい」と決意を語った。 ■「あの小さかった真凜ちゃんが…」秋山幸二さん長女が花嫁姿【写真】 23日に大分県別府市内であった「MURE Beppu プレミアムトークイベント」に、今季限りで現役を引退した元ソフトバンクの福田秀平さん(35)らと参加した。甲斐は移籍後、初の公の場となった。 甲斐は移籍を考えるにあたり、ソフトバンク育成同期入団で米大リーグ・メッツの千賀滉大投手(31)にも相談に乗ってもらったという。「千賀の話も聞いて『挑戦している人っていいな、すごいな』って思った。(国内FAと)米国と全然違うのは分かってるんですけど、このまま(ソフトバンクに)いて横一線のままよりも、挑戦してまだ上を目指そうとする気持ちが必要だなって僕は思った」と、旧友に感化されたことを明かした。 また、大分・楊志館高から2011年に育成ドラフト6位で入団し「どちらかというとホークスに育成で入れてもらった」と考えていた甲斐は「今までは求められて(チームに)行くことはなかったんで。球団に求められてドラフト1位で取られた人たちってうれしいんだろうなって。その気持ちというか(巨人監督の)阿部(慎之助)さんから『ぜひジャイアンツに来てください』と言ってもらったのは野球選手としてうれしかった」と、率直な思いも語った。 それでもソフトバンクでの14年間は甲斐にとってかけがえのない毎日だった。「(思い出は)もう数え切れないほど、一つ挙げるのはなかなか難しい。育成時代もありますし、2軍もそうですし、先輩方にも良くしてもらって食事にも連れていってもらったんで。クリ(栗原)とか後輩も本当に家族みたいな仲になりましたし、いろんな思い出がたくさんある」とした上で、一番の思い出には15年~21年に監督を務めた工藤公康さん(61)との日々を挙げた。「キャッチャーとしての基礎をたくさん教わったなというふうに思います。あの期間は工藤監督と1年間交換日記をやったりとか大変だったんですけど、そういう時期があったからこそ、今キャッチャーとしてやれている」としみじみと語った。 自身のさらなる成長のため、愛着のある球団を離れる選択をした甲斐。来季から始まる新たな野球人生に「野球選手として自分がどういった選手になれるかという楽しみはなくはないですけど、ワクワクというのは本当にない」と言い切る。「責任、覚悟が必ず必要となってくる。生半可な感じじゃ駄目だなと思います」。大きな決断をした甲斐の目はひたすらに前を向いていた。(大橋昂平) 【#OTTOソフトバンク情報】
西日本新聞社