イプシロンSロケット、年度内打ち上げ「不可能」 燃焼試験中、亀裂からガス漏れ後に爆発か JAXAが会見
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は5日、小型固体燃料ロケット「イプシロンS」のエンジン燃焼試験中の爆発事故を受け、当初予定していた本年度中の打ち上げは「現実的に不可能」との認識を示した。爆発は燃焼ガスが漏れた後に起きたとみられるが、原因については現在も調査中としている。 【写真】〈別アングル〉燃焼試験中に爆発した「イプシロンS」の2段目エンジン=26日、南種子町の種子島宇宙センター(JAXA提供)
東京都で開いた事故原因調査状況の説明会で明らかにした。JAXAによると、原因調査や爆発で損傷した地上施設の復旧に必要な期間は現段階で不明。再試験も必要なため、年度内の打ち上げは技術的にも極めて困難とした。イプシロンSは、内之浦宇宙空間観測所(鹿児島県肝付町)から年度内の打ち上げを目指していた。 燃焼試験は種子島宇宙センター(同県南種子町)で11月26日にあり、エンジン点火から約49秒後に爆発した。燃焼ガスは、エンジンノズルの継ぎ目や、何らかの理由でエンジンケースにできた亀裂から漏れた可能性があるという。 JAXAは岡田匡史宇宙輸送技術部門長をトップとする調査チームを設置し、原因究明に当たっている。 同エンジンは昨年7月の秋田県での燃焼試験でも爆発事故が発生した。前回試験では燃焼ガスの漏えいはなかった。
南日本新聞 | 鹿児島