ファミコンの説明書はよく読むと「後味悪い」? 謎すぎる開発陣からのメッセージ
魅力あふれるファミコンソフトの「説明書」
昨今のビデオゲーム作品はゲーム内のチュートリアルが充実しており、パッケージ版を買ったとしても、「取扱説明書」が付属されていないケースが多々あります。またダウンロード版はそもそもソフトの現物がないため、もし説明書を読みたい場合はインターネット上で確認する必要があります。 【画像】え、発売日惜しいな! これが『スーマリ2』発売前のチラシです(5枚) しかし、1980年代から1990年代のビデオゲーム作品は、ソフトと一緒に紙の説明書が当たり前のように同梱されていました。待ちわびていた新作ソフトを手に入れた帰り道、待ちきれず説明書を先に読んで期待に胸を膨らませる……。当時のプレイヤーなら一度や二度、このような体験をした方も多いのではないでしょうか。そして当時の説明書を開いてみると、操作方法などを記した単なるマニュアルにとどまらず、読み物として注目すべき記述もありました。 「ファミリーコンピュータ」(以下、ファミコン)向けに発売されたゲーム作品にフォーカスし、アクションゲームやRPGを中心に、ユニークな記載が目立つ説明書をご紹介します。 ●『スーパーマリオブラザーズ』(任天堂) 発売から40年近くたったいまもなお、名作として語り継がれる『スーパーマリオブラザーズ』は、任天堂の人気キャラクター「マリオ」の出世作であり、横スクロールアクションゲームのスタンダードとして歴史に名を刻んだゲームです。 その説明書を見返してみると、ゲーム内では語られていない事実がふんだんに記載されていました。 同作品の説明書はゲームの遊び方紹介に続いて、プレイヤーの目的を明らかにする、ストーリー説明のパートが設けられていました。内容は「キノコ王国に住まうキノコ一族は、カメ一族の魔力によって岩やレンガに変えられてしまい、王国は滅びてしまった」とあり、プレイ中にブロックを壊してから読むと、なんともいえない後味の悪さが残ることでしょう。 また少し先のページをめくると、マリオと相対する敵キャラの説明文が載っています。「キノコ王国を裏切った悪いキノコ」(クリボー)、「カメ帝国の兵士」(ノコノコ)……という具合に紹介されていますが、注目すべきは「色ごとに異なるノコノコの性格」です。赤ノコノコは「気が弱くてのんびり屋」と書かれている一方、緑ノコノコは「性格は凶暴」とはっきり区別されています。ノコノコはゲーム内のグラフィックでは色違いの敵キャラに過ぎませんが、簡易ながらもテキストベースで世界観が形作られていることが分かります。