光ファイバーABS活況、24年調達額は50億ドル突破へ-ゴールドマン
(ブルームバーグ): 米銀ゴールドマン・サックス・グループは、通信会社が光ファイバーの証券化に注力する中で、今年の資金調達額は50億ドル(約7600億円)を超えるとみている。背景には、生活のあらゆる場面でデータ需要が爆発的に伸びていることがある。
同行のストラクチャードファイナンス部門マネジングディレクター、ケリー・メレカー氏が4日まで行った一連のインタビューで明らかにした。ゴールドマンはこの新たな資産クラスのパイオニアだ。
光ファイバー関連の収入を担保にした債券は過去1年に急成長し、足元でも企業の参入が増えている。だが、メレカー氏によると、住宅用光ファイバーネットの月次収入を裏付けとするファイバー証券化は、ゴールドマンがメトロネットと最初の取引を行った2022年以前には存在していなかった。消費者向けの光ファイバーネットなどのインフラ整備に関して、米国は欧州に大きく後れており、発行元企業は大規模な設備投資を必要としているという。これは連邦政府の優先課題でもあると同氏は指摘した。
また新型コロナウイルス禍を通じて在宅勤務やビデオ会議、遠隔医療、オンライン教育、ゲームといったデータ通信への需要が急増。今では家電もネットに対応しており、ファイバーの必要性が高まっていることが証券化の流れを後押ししているとメレカー氏は述べている。
これらの企業は伝統的にハイイールド債の発行体が多いが、フロンティアとジプリーの案件については、ゴールドマンのハイイールド債と資産担保証券(ABS)デスクの双方が関わったという。社債の投資家や私募債の買い手、インフラファンドなど、垣根を越えたクロスオーバーの投資家がファイバーABSに注目していると同氏は指摘。同市場は活況で技術革新も進んでいるとし、同行では常に次の新たな資産クラスに取り組んでいると述べた。
原題:Goldman Sees Fiber Securitizations Topping $5 Billion in 2024(抜粋)
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Carmen Arroyo