「石破さん頼むで」 地方創生や防災、新総裁へ期待と注文、和歌山の有権者
自民党の新総裁が27日、石破茂元幹事長(67)に決まった。石破氏は東京一極集中是正を訴え、地方創生施策を中心的な立場で担ってきた。防災に力を入れる方針も示している。一方で、総裁選期間中、経済政策を語る場面は少なかった。和歌山県田辺市内で次の首相への期待、注文の声を聞いた。 【地元の思い反映されるか 自民総裁選に関心、和歌山県田辺市街地でまちの声の記事はこちら】 上秋津の農業男性(68)は「農政面では、中山間地域の事業について方針転換をせずに一貫、継続してほしい。鳥取県選出で、地方創生をずっと言ってきた人。地方に目を向けた政策を期待している。若者が地元に帰ってきて仕事に就いたり事業を起こしたりできるような政策をとってもらいたい」と願う。 本宮町の観光関係の男性(60)は「人口が都市部に集中し過ぎており、地方は人口減少が大きな課題。観光業は人手がどうしても必要になるので、地方に人が流れてくるような仕組み作りに力を入れてほしい。新総裁にはぜひ一度、熊野に来てほしい」と話す。 町内会、自主防災活動に取り組む文里1丁目の女性(65)は「災害対応や事前防災を一元的に担う防災省はぜひ創設してほしい。防災対策はこれまで地震が中心だったが、豪雨災害が毎年のように起きている。市町村に頼らない対策が必要だ。私たちが相談、要望する際の窓口も明確になる」と期待を込めた。 鮎川の建築業男性(50)は「物価の上昇と所得向上のバランスが取れていない。金利上昇のニュースもあり、住宅の新築をためらう人が多い。こうした不安を払拭するような経済対策を求めたい。若者が未来を悲観するようではいけない」と注文した。 ■「地方に寄り添った政策を」 岸本知事 自民党総裁が石破茂氏に決まったことを受け、岸本周平知事は、石破氏に対しこれまでの財政経済運営の検証や人口減少を踏まえた社会経済のビジョンを示すことを要望した上で「地方に寄り添い、直面する諸課題の解決に向け先頭に立って大いに奮闘されることを期待する」とコメントを出した。 ■和歌山は石破氏が最多 総裁選の党員票 自民党総裁選の和歌山県連の党員票は、9候補のうち、石破茂氏が最多の3151票だった。2位は高市早苗氏の2462票、3位は小泉進次郎氏の1115票だった。 県連は12日、党員・党友1万1827人に投票用紙を発送。26日に締め切り、党員や国会議員事務所スタッフが27日午前、和歌山市の県連事務所で集まった票を数えた。 投票率は70・8%で、有効投票8342票、無効票34票。4位以下は林芳正氏756票、小林鷹之氏574票、上川陽子氏102票、河野太郎氏81票、加藤勝信氏56票、茂木敏充氏45票だった。 高市氏と石破氏による決選投票では、各都道府県連での投票結果を踏まえ、2人のうち得票の多い候補に1票ずつ入る仕組みのため、和歌山県連からは石破氏に1票が入った。
紀伊民報