“悪のカリスマ”ジョーカーのその後を描く…「手詰まり感」「ますます圧巻」レディー・ガガも出演する続編の評価は? 「ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ」を採点!
〈あらすじ〉
孤独で心優しいアーサー・フレック(ホアキン・フェニックス)は理不尽な社会に絶望し、〈ジョーカー〉となり5人を殺害した。刑務所に収監されたアーサーは模範囚となったが、世間はジョーカーを“悪のカリスマ”として祭り上げていた。 2年が経過した頃、アーサーは刑務所で謎の女リー(レディー・ガガ)と出会い、生まれて初めて真実の愛を知る。そんな中、ニューヨーク州民対ジョーカーの裁判が開廷し、世間の耳目を集める。ジョーカーの大ファンだというリーの影響で、アーサーは二重のアイデンティティに苦しみ、暴走し始める。
〈解説〉
前作『ジョーカー』のトッド・フィリップスが監督・脚本・製作。悪のカリスマとなった男のその後を、歌唱シーンを織り交ぜて描くサスペンス・エンターテインメント。138分。 中野翠(コラムニスト)★★★★☆イジケ顔のホアキンにはピッタリの役なのだけれど……。レディー・ガガを投入しても新味は感じられず。そこそこの快感。 芝山幹郎(翻訳家)★★☆☆☆監獄映画にミュージカルと法廷劇を接ぎ木するあたり、手詰まり感が強い。この二部作、H・レジャーへの畏れが足りない。 斎藤綾子(作家)★★★★☆狂う痛みを記憶の反芻で噛みしめるアーサー。彼に想いを歌うリーの眼差し。二人の歌とダンスに魂を抜き盗られそう。 森直人(映画評論家)★★★★☆自らの神話解体により、前作が引き起こした社会現象の責任を取る裏返しの続編。ホアキンの濃厚な芝居はますます圧巻だ。 洞口依子(女優)★★★☆☆冒頭DCらしいカートゥーンで高揚。監獄とロマンスと法廷劇をバツグンの歌唱で包む。失速気味なホアキンが気になる。 INFORMATIONアイコンジョーカー:フォリ・ア・ドゥ(英) 10月11日(金)より全国公開 https://wwws.warnerbros.co.jp/jokermovie/
「週刊文春」編集部/週刊文春 2024年10月17日号
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