ネットフリックス、会員数933万人増加-伸びは今後鈍化へ
(ブルームバーグ): 動画配信サービスの米ネットフリックスは会員数が予想を上回る伸びを示し、2020年以降で最高の滑り出しとなった。力強いオリジナル番組とパスワード共有対策に支えられた。
18日の発表資料によると、1-3月(第1四半期)の会員数増加は933万人と、市場予想平均の484万人のほぼ倍だった。同社は世界各地で新規会員を獲得し、特に米国とカナダで堅調だった。会員数の伸びが追い風となり、1-3月期の売上高と利益も予想を上回った。
ネットフリックスは21年と22年に陥った低迷期から脱し、新型コロナウイルス禍初期以来の急成長を遂げている。ただこれはパスワード共有対策の効果が大きい。同社は会員費を支払わずにアカウントを使用している人は1億人を超えると推計。幹部は顧客の反発を警戒したが、数百万人を有料会員に転換することに成功した。
こうした会員数の伸びにもかかわらず、ネットフリックスの株価は通常取引後の時間外取引で一時7.4%安の565.50ドルとなったが、その後、一部値を戻した。
アナリストの明るい予想が相次ぐ中、1-3月期決算への期待はここ数日、高まっていた。また同社は18日の投資家向け書簡で4-6月(第2四半期)について、16%増収が見込まれるが、会員数の伸びは鈍化するとの見通しを示した。
同社は2025年1-3月期から、四半期ごとの有料会員数と1会員当たりの売上高の発表をやめることも明らかにした。これら指標は長い間、米金融市場にとってネットフリックスの業績を評価する主な手段だったが、同社は売上高や利益といった伝統的な指標に焦点を移そうとしている。経営陣は引き続き、会員数の主要な節目を報告する。
PPフォアサイトの創業者でアナリストのパオロ・ペスカトーレ氏は電子メールで「来年から四半期ごとの会員数を公表しないという動きは受けが悪いだろう」とし、「ネットフリックスのこの1年間の会員数の伸びを踏まえれば、なおさらだ」と指摘した。