「ヒカル効果」売り上げ4倍 大苦戦の千葉新競輪 人気YouTuberコラボ動画で起死回生 千葉市長が直談判
千葉競輪の後継として始まったものの、当初想定の売り上げに大幅に届かず大苦戦中の千葉市の公営競技「250競走(PIST6)」。この打開策の一環として、同市と人気YouTuber、ヒカルさん(32)がコラボした動画を発信したところ、車券売上額が従来の約4倍に達するなど目覚ましい効果が上がった。神谷俊一市長は大きな手応えを感じたといい、「一過性のものではない効果に今後つなげていきたい」と話している。 250競走は2021年10月にスタートしたが、従前の千葉競輪ファンや公営競技になじみが薄い若者を取り込むことに苦戦。運営するJPF(東京都)によると、22年度の車券売上額は当初122億円を想定したが、実際はその1割強の約16億円。23年度も約12億円にとどまっている。 1日当たりの売上目標は8千万円~1億円と設定しているが、2日間で2千~3千万円がこれまでの平均売上額だった。
そこで若い世代に人気が高く、公営競技に関する動画投稿もしているYouTuberのヒカルさんに白羽の矢を立て、動画制作を依頼した。制作費は非公表。 動画では、神谷市長から250競走のPRを直談判されたヒカルさんが、同市中央区の競技場「TIPSTAR DOME CHIBA」を見学。ドーム内を紹介したり、実際に車券を買ってレースを見たりして面白さを伝えている。動画は110万回以上再生され、好意的なコメントが数多く寄せられた。 動画公開後、すぐに効果が表れた。JPFによると、これまで約3万人だった専用サイトの登録者数は、4月28日の動画公開後の2日間で約2万人増。29~30日に開催したレースでは車券の2日間の売り上げが、従来の約4倍に当たる計8千万円以上に。投票者数も従来の10倍の計約5万人を超えた。JPFはコラボ動画記念として、さまざまな景品のプレゼントキャンペーンも展開している。 「極めて大きな効果があり、好意的な反応が多かった」と手応えを語る神谷市長。ただ、売上目標額の1日8千万~1億円にはまだ届いていない。JPFの担当者は「これを機にさらに魅力が広まるよう、満足せず取り組みを続けていきたい」としている。