「デカンショ」に新ポスター 「浅田家」の写真家・浅田政志さん撮影 8月15、16日に「デカンショ祭」/兵庫・丹波篠山市
映画「浅田家!」のモデルになった写真家の浅田政志さん(45)=三重県津市=がこのほど、兵庫県丹波篠山市が伝統の民謡「デカンショ節」で日本遺産に認定されてから10周年を記念したポスターの写真を撮影。完成したポスターがデカンショ節大賞授賞式で披露された。誰もが楽しい気持ちになる一枚、かけがえのない一枚を撮り続ける浅田さん。8月15、16日には同市でデカンショ節に乗せて踊る「丹波篠山デカンショ祭」が開かれ、「祭がさらに盛り上がるポスターになれば」と期待している。 写真は、今年のデカンショ節大賞で大賞に輝いた歌詞「丹波篠山街道歩きゃ うまい地酒と四季の食」をイメージ。撮影は河原町通りで行い、手前に四季折々の食材を味わう人を、奥には農家や料理人、猟師、デカンショを踊る人などを配した。 撮影には篠山鳳鳴高校写真部と兵庫県丹波篠山デカンショ節保存会のメンバーが協力。浅田さんは、「丹波篠山の良さや若い子たちの元気、いろんなことをイメージしながら、自分とここにいる皆さんで一緒に作り上げられたら」と笑顔を浮かべ、高校生たちに表情や動きなどを細かく指導していた。 市職員が、デカンショ祭をさらに楽しくPRするために浅田さんの力を借りようと依頼し、快諾を得た。
撮影に参加した同校2年の竹村悠生さんは、「浅田さんの写真を見てとても楽しいなと思っていたので、一緒に参加させてもらい、めちゃくちゃうれしい。表情やポーズの作り込みがすごくて勉強になった」とはしゃいでいた。 原案となった歌詞を作った村岡孝司さん(82)は、完成したポスターを前に、「とてもきれいで、この写真を見て歌詞を書いたようにも思える。感無量」と喜んでいた。 浅田政志さん 日本写真映像専門学校研究科を卒業後、スタジオアシスタントを経て独立。2009年には一家でさまざまな衣装を着て撮影した写真集「浅田家」で、写真界の芥川賞とも呼ばれる「第34回木村伊兵衛写真賞」を受賞した。東日本大震災時には被災地を訪れ、がれきの中から見つかった写真を洗浄するボランティアに励んだ。20年には、写真集などを原案にした映画「浅田家!」が公開され、二宮和也さんが浅田さん役を演じて話題になった。昨年―今年のNHK連続テレビ小説「ブギウギ」のポスターも手がけた。