「脱退で済むか!」組合員から怒りの声 安芸漁協の《着服問題》副組合長「除名処分」へ 臨時総会は紛糾
安芸漁業協同組合の副組合長が市の委託事業を利用し組合の収益を着服した問題で14日漁協の臨時総会が開かれ組合員から怒りが声が上がりました。 (臨時総会 組合員) 「除名にせー!」 「市民の国民の県民の税金が使われている」 「除名ということでどうですか、みなさん」 安芸漁業協同組合で14日に開かれた臨時総会。54歳の副組合長による着服に組合員が激怒しました。 (副組合長) 「ぼくも軽い気持ちでもらったがよく考えたらだめなこと、今ちょっと反省している」 安芸漁協は毎年、市からの委託で漁礁を設置する事業を請け負っています。漁礁は良い漁場を整備するため木の枝を沈めて作る魚の隠れ家です。この漁礁設置事業に伴う漁協の収益を毎年、副組合長が着服していたことが発覚しました。 着服した総額は10年間で318万9534円に上ります。 (副組合長) 「浮き漁礁の設置事業を一本釣り組でやっていて、設置した後の余った金を僕が1人でもらっていた」 不正の背景にあるのが漁礁設置事業が完了した際、市に提出する報告書です。 事業に「使った」とする資材の写真を添付しています。しかし、実際は全く使っていない資材の写真を添付したり、資材の数を多めに記載していました。捻出した「委託金の余り」は年間数十万円に上り漁協の利益となります。 しかし、この金を副組合長が毎年、事務員から手渡しで受け取っていました。 (事務員) 「(令和5年度)ヨコの契約で入る金が118万8000円」 「それから実際に買った資材、人件費、弁当代とかを引いて残りがこれ」 「この紙(ウラ帳簿)のコピーと現金を(副組合長に)渡していた」 「毎年です」 Qこれが不正な金という認識はあった? 「そうですおかしいなと思いながらも圧力というか前からの慣例でもあり副組合長に言うことができなかった」 Q一切の現金は受け取っていない「受け取っていない」 漁協に入って2年目の松田叶夢さん22歳です。2023年10月、不正に気付き内部告発しました。 松田叶夢さん: 「許せない」 「(委託金も)税金から出ているので個人のものにするのは許されないこと。怒りが強かった」 松田さんの上司: 「不正を正すという意味で頑張りたい」 松田さんは上司と事務員と共に2024年1月、安芸署に被害を相談しました。警察は業務上横領の疑いで捜査を進めています。 上司によりますと副組合長による着服は前の副組合長の頃から20年以上続いてきたと言います。 臨時総会では市への報告書に事実と異なる記載がいつ、誰の指示で始まったかについてやりとりがー 副組合長: 「資材購入のときのやり方は上司が教えてくれて任せていた」 「ぼくらもやり方分からん」 松田叶夢さん: 「前の副組合長の頃からやっていた?」 副組合長 「わからんき」 松田叶夢さん: 「分からん分からんばっかり言われても」 副組合長は着服をしたことへの責任のとり方を示しました。 副組合長: 「組合に迷惑をかけた。脱退という形で責任をとる。警察の場合、ちゃんと処分を受けます」 しかしー 組合員: 「脱退で済むか!」 脱退か、それともより重い除名処分か投票で組合員の意思を確認することに。 松田さんの上司: 「投票の結果、総数71票、除名68票、脱退2票、白紙1票、よって除名処分という形になる」 臨時総会後、副組合長はさんさんテレビの取材には応じませんでした。 松田叶夢さん: 「(副組合長が)指示したのを職員が勝手にやったみたいに言うところを見ると反省してないのかなと思う」 松田さんの上司: 「職員も悪いところはあるが松田くんが言った通り反省の色が見えないと思った」 松田叶夢: 「これからはきれいにいま膿(うみ)を全部出し切ってまっとうな仕事をして評価されたいなと思う」 安芸漁協は21日に再び臨時総会を開き副組合長の除名処分を決める見込みです。
高知さんさんテレビ