阪神・中野

◆ＪＥＲＡセ・リーグ　広島１―２阪神（２３日・マツダスタジアム） 　阪神は１点差の接戦を制し、広島との首位攻防３連戦を２勝１敗と勝ち越した。打線は好機を逸する場面が目立ったが、連打を許した終盤のピンチを１点でしのいで逃げ切り勝ち。スポーツ報知評論家の安藤統男氏は、中野の手堅い守備を勝因に挙げた。 　＊　＊　＊　＊　＊　＊　＊ 　２度の満塁機で無得点に終わるなど、内容は負けていてもおかしくない試合だった。それでも、勝てるのだから大きい。結果的には先行逃げ切りの阪神らしい勝ち方になった。その勝利の要因は二塁・中野の勝負どころの守備だろう。 　１点リードの５回２死一、二塁で秋山の一、二塁間の打球に追いついて処理すると、１点差に迫られた８回２死一、二塁では坂倉の右前に弾みそうな飛球を背走キャッチ。９回１死一、三塁で４―６―３の併殺に導いたシーンも鋭いゴロを難なくさばいたものだった。どのプレーも派手さがあるわけではなく、ポジショニングの良さがもたらした好守だ。 　２年前まで正遊撃だった経験も踏まえ、打者や状況によって深く守ったり、的確なポジショニングを取る嗅覚に優れている。天性の球際の強さもある。それが、難しい打球を難しく見せない。やはり、球界屈指の名二塁手だ。（スポーツ報知評論家）