中国への最恵国待遇の撤回、米議会の諮問機関が提言…「同盟国と同じ恩恵」批判
【ワシントン=田島大志】米議会の諮問機関「米中経済安全保障調査委員会」(USCC)は19日、2024年の年次報告書を公表した。中国に関税などで他国と同じ貿易条件を保障する「最恵国待遇」を撤回するよう提言した。
報告書では、「知的財産の窃取や市場操作などを行っているにもかかわらず、同盟国と同じ貿易条件の恩恵を受けている」と中国を批判した。中国の「経済的威圧」から米国内の産業や労働者を保護するため、対中貿易を巡る審査を強めるよう求めた。
米議会は00年、中国との恒久的な正常通商関係(NTR)を定めた法案を可決、成立させた。NTRには最恵国待遇が含まれているが、トランプ次期大統領は大統領選で待遇取り消しを掲げていた。
報告書では、人間並みの知能を持った「AGI(汎用(はんよう)性人工知能)」にも言及した。米中間の開発競争に勝利するため、国家プロジェクトにして資金を集中的に投入するよう提起した。