長谷川博己が『アンチヒーロー』で視聴者に問いかけるものとは 異色の弁護士役を語る
“先生と生徒”だった北村匠海との再共演
――ここまでのお話を聞いていても、長谷川さんが演じる弁護士はかなり癖の強いキャラクターなのかと想像しています。 長谷川:そうですね。演じていてもよくわからない人間なんです(笑)。なにか理由があってその行動をしているようにもみえるし、根拠なく行動しているようにもみえるので本当に塩梅が難しい。でもそれが面白さでもあるので、視聴者の方にも「この人物は何者なんだ?」と思っていただけたら。そして、その“何者なのか”とういう感覚は、法が人を裁くことの不条理な側面にもどこか通じるものになればいいなと思っています。演じる上でも、伏線を意識し後々のシーンに向けて、ということに意識を取られすぎず、ワンシーンワンシーンを演じきる感覚でやってみようと。これは完成してみないとわからないところもあり、かなり挑戦的な試みになっています。『小さな巨人』でご一緒したスタッフの方々も多いので、何度も何度もディスカッションを重ねながらキャラクターを作っています。 ――同僚弁護士役の北村匠海さん、堀田真由さんとは8年ぶりの共演となりました。久々の共演はいかがですか? 長谷川:2人とも本当に素晴らしいです。年齢は離れていますが、現場では支えてもらっています。 匠海くんは、先生と生徒という間柄だったので(『鈴木先生』)、ふとしたときに先生のような感じになってしまうときもあるのですが、本当に大人になったなと思います。今回は同僚ということもあり、毎回刺激をもらっています。 ――まだまだ謎に包まれた本作ですが、「日曜劇場」としての醍醐味も? 長谷川:日曜劇場らしい痛快な展開もありますし、謎解きもののような次が気になる展開もあります。視聴者の皆様に楽しんでいただくべく、スタッフ・キャスト一同試行錯誤しておりますので、期待していただければ。翌日の月曜日に向かって、また頑張れる作品にできたらと思っております。
石井達也