中日・田島は開幕27試合連続無失点の日本新記録をいかに成し遂げたか
顎ひげを残し、いかつい風貌とは裏腹にメディアの受けが非常によく、ファンに愛される選手としても有名だ。2014年7月の巨人戦で1イニング、3連続死球の日本ワーストタイ記録を作ったときも、報道陣の取材を無視することなく「名前を残せてよかったですよ」と豪快なコメントを残している。 過去に取材拒否は一度もない。プロアスリートは、その内面はプレーに現れるが、田島の真摯な姿勢も結果につながっているのかもしれない。 2011年のドラフト3位。ちなみに1位は高橋周平。高校は、愛知の中部大第一で大学も東海学園大。ずっと名古屋地区で野球をしてきたが、昔から中日に囲い込まれていたわけではない。実は、高校2年まではキャッチャーで西武に高校ドラフトで3位指名された朱大衛とバッテリーを組んでいた。エースが抜けた後から投手に抜擢されたが、広島の堂林翔太や阪神の伊藤隼太が所属していた中京大中京に愛知予選で負け、甲子園経験はなく、大学も中央では無名の東海学園大で2部降格まで経験している。 決して球歴は鮮やかではないが、ルーキーイヤーから、56試合に登板、5勝3敗、30ホールド、防御率1.15の好成績を残した。翌年は制球に苦しみはじめ、先発転向などを模索をするなどしたが10敗し、“2年目のジンクス”に落ち込んだ。たが前述したように腕の位置を変えた昨年は、一時期、ストッパーを任されるほどの制球力とボールのキレを取り戻しつつあった。 田島の日本新記録は、開幕からの連続試合無失点記録で、“開幕”の2文字を取った連続試合無失点記録は、阪神の藤川球児が2006年にマークした38試合になる。ストッパー転向した、ここからの記録更新はさらに厳しくなるが、無失点を続けた先にこの大記録が見えてくるのが理想だ。そこにはチームの勝利もついてくることになる。田島は、「まずは目の前の1試合で。いけるところまで、ずっと続けたいと思います」と、控えめに記録更新を誓った。