海女伝統刺し子40点 「安島モッコ刺し」坂井市三国町で作品展
福井県坂井市三国町に伝わる刺し子技術「安島モッコ刺し」の作品展「繋(つな)ぐ糸・つながる刺し子」(福井新聞社後援)が、同町の旧森田銀行本店で開かれている。12月8日までの前期展は、技を継承する地元の「安島モッコの会」がタペストリーや法被、額装など9点を出品。山形県の「長井さしこ」作品約30点も並ぶ。 安島モッコ刺しは目の細かい幾何学模様が特長。かつて海女たちが家族や自分の作業着に補強や保温のため布を当て糸で縫っていた。 廃れていた技術を地元の美容師坂野上さんが2016年に復活させ「安島モッコの会」を組織。約20人が制作、普及に取り組んでいる。 作品は、着物の帯や雄島祭りで40年以上前に使われていた乙女みこし法被などに、8種類ある刺し方で模様が描いてある。安島に伝わる海女の恋歌「なんぼや踊り唄」の歌詞をしたためたタペストリーもある。 坂野上さんは海女たちへの畏敬の念を示し「意地でも守らないといけない大事な技術」と継承への決意を示す。後期展(9~22日)はカフェmicnic(三国町)であり、会員や三国高生の作品が並ぶ。