アナ雪を超える? 大人にも好評、映画『ズートピア』の大ヒットのワケは?
人に伝えたい&リピートしたくなる映画
元々、映画は口コミの力が興行成績を大きく左右するとは言われているが、近年SNSなどの普及により、さらに公開後の鑑賞者の評価は重要性を増している。そんな中、『ズートピア』は口コミサイト等での書き込み数も多く、評価も非常に高い。これは、鑑賞後、いい意味で裏切られたと感じる人が多く、このことは“人に伝える”という観点からすると、高いモチベーションになるのだろう。 さらに、リピーターが続出しているのも特徴の一つだ。本作で、反目しあいながらも徐々に信頼関係を築き、かけがえのないパートナーとなるジュディ&ニック(「ジュディニック」)は、創作マンガや擬人化イラストの世界で大人気になっており、『ズートピア』関連のファンアート投稿が大ブームになっている。 そのほか、ディズニー作品でもお約束となっている、過去作品のパロディーやトリビア的なネタも満載。ディズニー作品だけではなく『ゴッドファーザー』などをネタにしたシーンなども多数あり、まとめサイトでも盛り上がりをみせている。こうしたファンが、劇場に2度、3度と足を運んでいるのも大きなヒットにつながる要因といえるだろう。 日本で記録的に大ヒットしたディズニーアニメーション映画といえば、2014年に公開された『アナと雪の女王』が思い出される。こちらも公開から3週連続で週末動員数を伸ばし、“連荘モード”に突入。最終的には日本での歴代興行収入で3位となる254億7000万を記録した。 現時点でこの数字と比較するのは酷だが、ディズニー担当者は「鑑賞後には『肩の力を抜いて、よし頑張ろう』と大人こそ思える、深いメッセージを兼ね備えた素晴らしい作品。それを多くの方に見てもらいたいという気持ちで魂を込めています」とコメント。 その言葉通り、映画の基本となる物語の素晴らしさに加え、多岐にわたる楽しみ方ができるというエンターテインメント性を考えると、この快進撃はまだまだ続くと思われる。 (文・磯部正和)