壮絶な代表権争いの火蓋が切られた「オリンピック予選シリーズ(OQS)」上海大会 男子スケートボードパーク種目
大会結果
優勝 テイト・カリュー (アメリカ合衆国) / 93.33pt 2位 キーガン・パルマー (オーストラリア) / 92.30pt 3位 ジャガー・イートン (アメリカ合衆国) / 91.61pt 4位 キーラン・ウーリー (オーストラリア) / 90.19pt 5位 ペドロ・バロス (ブラジル) / 88.96pt 6位 ギャビン・ボットガー (アメリカ合衆国) / 86.58pt 7位 アウグスト・アキオ (ブラジル) / 73.04pt 8位 ルイージ・チーニ (ブラジル) / 53.13pt
最後に
今大会での結果により今後楽しみになるのがアメリカとブラジルの出場権争いとなるだろう。正直今回の決勝のメンバーは誰が優勝してもおかしくない世界のトップオブトップの面々。ただその中でしっかり自分の持つトリックを全て出しきれたテイトや、最後に大きなプレッシャーを押し退けてみせたキーガン、そして二刀流にも関わらずストリート種目での勢いそのままに疲れを見せず強靭なメンタルとフィジカルで戦ったジャガーがその表彰台の座に相応しかったということだろう。 さて今大会を終えた現在の世界ランキングを振り返り、出場権争いが激化するアメリカとブラジルの状況を見てみよう。まずアメリカの現在の国別世界ランキングは、トップが今回優勝して世界ランキング1位となったテイト・カリュー、テイトに続き今回3位となったジャガー・イートンが世界ランキング2位、そして同じく決勝に残ったギャビン・ボットガーが世界ランキング1位から3位と順位を下げたもののトップ3の座をキープしている状態。そしてこの3人を追う形になっているのは今回9位で決勝進出を逃した世界ランキング9位のトム・シャー、続いて世界ランキング18位のリアム・ペイス、世界ランキング25位のテイラー・ナイだ。実際1大会で最大21万ポイントが加算される今大会。9位のトムには関しては十分に逆転できる位置でありまだまだこの出場権争いは波乱がありそうだ。 一方でアメリカ以上に厳しい戦いを強いられると想定されるのがブラジルだ。現在の国別世界ランキングは、今回決勝に進出したアウグスト・アキオが世界ランキング5位、ペドロ・バロスが世界ランキング6位、そして決勝進出を果たしたものの不調だったルイージ・チーニが世界ランキング8位。そしてこのトップ3を追うのは世界ランキング15位のペドロ・キンタス、世界ランキング19位のペドロ・カバーリョ、世界ランキング24位のムリーロ・ペレスだ。今大会の決勝では出し切れなかったブラジルのトップ3だが、その雪辱を果たすだけではなく後続を引き離し出場権を確保するためにも大事になるのが次戦のブダペスト大会だ。 そして忘れてはいけないのは日本人唯一の出場選手である永原悠路。今大会を終えて世界ランキング14位であり現時点ではオリンピック出場権を獲得できるが、度々言及しているように本フェーズの「オリンピック予選シリーズ2024(OQS)」の2大会に関しては最大21万ポイントの超高得点配分がされており、次のブダペスト大会でも一発大逆転が起きうる展開になっているので、永原に関しても次戦はしっかり決勝進出を果たしてポイント獲得しオリンピック出場権を確かなものにしたいことだろう。また編集部としては現在前回の「WST Dubai」の王者であるスペインのダニー・レオンの次戦での活躍も期待したい。今回は惜しくも14位で決勝進出とはならなかったが世界ランキングは10位につけており、ブダペスト大会のパフォーマンスによってはパリオリンピック本戦でのメダル争いにも食い込むことだろう。 泣いても笑っても次戦のブダペスト大会でパリオリンピック出場選手が決まる。本当の意味での最終戦が差し迫る中で、誰も油断できないこの出場権争いはどんな終わりを迎えるのだろうか。ブダペスト大会は予選から目が離せない熾烈な戦いになることは間違いない。