少数与党として発足しそうな第二次石破政権、「石破おろし」があるとすれば来春以降か
衆院選の結果、与野党は微妙な議席数のバランスとなった。11月半ばの首班指名選挙次第だが、各党の動向を踏まえると、少数与党で第二次石破政権が発足する可能性が高い。果たして、どのような政権運営になるのだろうか。(宮前 耕也:SMBC日興証券 日本担当シニアエコノミスト) 【著者作成グラフ】一時は20%まで落ちた内閣支持率を53%まで反転させた政権も過去にはあった 衆院選で与党が過半数割れとなり、かつ様々な政権枠組みのパターンを考え得る微妙な議席数のバランスとなった。各党の動向を踏まえると、このまま少数与党で第二次石破政権が発足する可能性が高い。 国民民主党は、連立政権に入るよりも、政策ごとに是々非々で少数与党と交渉する方が、党の政策をより実現できると判断したようだ。石破政権も国民民主党の要求は極力考慮しよう。ただ、日本維新の会も政策ごとの是々非々路線を採るならば、国民民主党は自らの要求を強硬に主張しづらくなる。 自民党内では、来年春以降、石破政権で夏の参院選を戦えるかどうかが問われる。通常、内閣支持率は政権発足以降、徐々に低下しやすい。だが、過去には野党との協調を通じて政権運営を安定させ、世論の支持を獲得した小渕政権のような例外もある。 <少数与党で第二次石破政権発足へ> 10月27日に第50回衆議院議員総選挙の投開票が行われ、与党が過半数を割り込んで敗北した。自民党は191議席、公明党は24議席で、与党合わせて215議席にとどまり、過半数の233議席に18議席足りない。 どのような新政権の枠組みとなるか、様々なパターンを考え得る微妙な議席数のバランスとなったため、選挙直後は先行き不透明感が高まった。 政権枠組みとしては、(1)与党による連立政権拡大、(2)野党結集による政権交代、(3)大連立、そして(4)少数与党──の主に4パターンが考えられた。各党の動向を踏まえると、このまま(4)の少数与党で第二次石破政権が発足する可能性が高い。 なお、本稿では「部分連合」を少数与党と位置づけている。