都内で進む校庭「芝生化」 始まりはヒートアイランド対策
芝生には養生期間や維持管理費も必要
しかし、芝生のグラウンドでは陸上競技や野球などの練習がしづらいといった課題もあり、第2グラウンドやグラウンドの一部だけを芝生化するだけの学校もあります。また、グラウンドの芝生が傷んだ場合は養生期間が必要になるため、その間はグラウンドの使用ができなくなります。そうした事情から、グラウンドの面積が小さく都心部では芝生化に踏み切れない学校もあるようです。 さらに校庭の芝生化には費用がかかります。東京都では校庭を芝生化する費用のうち2分の1を東京都が負担し、残り2分の1が自治体負担になっています。また、設置から5年間は東京都が維持管理費用の半分を補助しています。 今年度、東京都は校庭の芝生化に18億円の予算を組んでいますが、予算面以外にも芝生の管理ノウハウをレクチャーする専門家を各学校に派遣して、校庭芝生化をバックアップしています。 10月1日には、スポーツ庁が新たに発足したように、スポーツ環境の整備は重要な行政課題の一つになりつつあります。最近では、学校の校庭は小中学生が使用するだけではなく、地域スポーツの拠点として機能するようになっています。それだけに、今後は全国的に校庭芝生化の拡大が進められることになるでしょう。 (小川裕夫=フリーランスライター)