【プロが太鼓判】いざというとき知らないと後悔する「遺品整理のコツ」2選…「本質はたったコレだけ」
両親が亡くなったとき、実家をどうするか考えているだろうか。実家に戻って暮らすのか、それとも実家を処分するのか。いずれにしても遺品整理が必要だが、そこには想像以上の困難が待ち受けている。いわゆる「親家片(おやかた)」本には、「こうして片づけた」「こうすれば片づけられる」などと成功例が書かれているが、現実はそんな生やさしいものではない。 【漫画】刑務官が明かす…死刑囚が執行時に「アイマスク」を着用する衝撃の理由 『遺品は語る』(赤澤健一著)から抜粋して、注意するべきポイントをお届けする。 『遺品は語る』連載第23回 『プロ直伝「遺品整理は絶対にここから始めて!」…知らないと訴えられる思いも寄らない注意点』より続く
事後の生活を考えずに片づける
よくある間違いは、計画を立てずに手近なものから遺品整理に着手することだ。それだけはやめておいたほうがいい。無謀に始め、続かずに放置するということになりがちだ。 たしかに、大量の遺品を前に、時間に追われながら遺品整理に立ち向かわねばならないとなると、「とにかく」と第一歩を踏み出すことになりがちだ。しかし、これは逆で、きちんと計画を立てることで、ゴールがおぼろげにでも見えてくるようになる。それが大切なのだ。継続力が違ってくる。 その際、その家で今後どのような生活を営むかを考える必要がある。家を処分せずにこれからも住み続けるのであれば、誰が住むのかで遺品整理の仕方が大きく異なってくる。残すものや、それを置く場所も決まってくる。それを前提に計画を立てることになる。
遺品整理の本質とコツ
よくあるケースは、父親が亡くなり、残された母親が一人で住むとか、子どもの誰かが実家に戻って同居する、あるいは、一人暮らしの母親のところに時々子どもの誰かが面倒を見に顔を出す、といったものだろう。 そこで大切なのは、まずは捨てずに残すものを決めることだ。そして、それ以外は原則として処分するようにしないといけない。 私どもプロがやる場合でも、それが遺品整理の計画の基盤になる。それがなければ、みんな「捨てずに取っておく」ということになってしまう。 捨てずに残すものの基準は、もちろん住む人の生活ぶりによって異なるわけだが、私どもプロが「どうすればいいですか?」と尋ねられた場合は、 1.これからの生活になくてはならないものかどうか 2.生活にちょっと潤いを与えてくれるものかどうか この2点を基準に選ぶとよい、とアドバイスしている。 片づけ本を見ると、片づけることはとにかく「いいこと」だとして、その方法論だけしか書かれていないことが多い。だが、これからの暮らしについて具体的に考えることをせずに片づけに着手すれば、たしかに一時的にものは減るだろうが、新たな暮らしをスタートさせるといずれまたものが増えてしまうことになるだけだ。そんなことは、別に遺品整理のプロが予言するまでもなく、誰でも見える未来ではないだろうか。 『遺族「どれも大切で捨てられない!」…遺品整理のときの「片づける基準」をプロが徹底解説』へ続く
赤澤 健一(グッドホールディングス株式会社代表取締役社長)