父親が「4000万円の財産」と「1500万円の借金」を残して亡くなりました。「相続税」は何円かかりますか?
相続財産の中に借金が残っていたとき「その借金をどう返すか」という点も課題になりますが、相続税についても問題となります。借金の返済はともかく、相続税については複雑でよく分からず困ってしまう、ということもあるようです。そこで、仮に4000万円の財産と1500万円の借金があるとき、相続税が何円かかるのか考えていきます。
相続税は3600万円以上相続財産がある場合にかかる可能性がある
相続税には「基礎控除」という概念があります。基礎控除とは、課税対象となる財産の価格から差し引かれる控除です。簡単に言ってしまえば、基礎控除の範囲内であれば、相続税はかかりません。 この基礎控除は「3000万円+法定相続人の数×600万円」という金額になります。つまり、3600万円以上の相続財産がない限り相続税は発生せず、逆に3600万円を超える場合には相続税が発生する可能性がある、ということになります。 例えば「父親が4000万円の財産を残して亡くなり、相続人は自分一人」というような場合、基礎控除の額は3600万円であることから、課税対象となる財産は400万円となり、相続税がかかります。 なお参考までに、相続税の税率は、取得する財産の金額が1000万円以下の場合は10%となるため、上記の場合における相続税額は40万円となります。 ※出典:国税庁「No4155 相続税の税率」
実際には、負債も考慮した上で相続税は決まる
相続税は「基礎控除の額を超えたから」といって、すぐにかかるわけではありません。課税対象となる遺産の額を算出する際は、遺産の中に借金など負債(非課税財産に関するなど一定のものは除く)が含まれていれば、それらの額を差し引くこととされているからです。 例えば前項の例のように、遺産が4000万円あり、相続人が自分一人だったとしましょう。本来であれば、基礎控除3600万円を超える部分、つまり400万円の部分に相続税がかかります。しかし、債務があれば遺産総額からその額を差し引いて計算することができます。 今回の場合だと遺産総額は4000万円ですが、債務として1500万円差し引かれるので実際相続するのは2500万円です。これは基礎控除3600万円に満たないので相続税はかからないといえるでしょう。 ※出典:国税庁「No4126 相続財産から控除できる債務」