石破首相「高い水準での賃上げと価格転嫁に尽力を」、経団連で要請
Kentaro Sugiyama [東京 25日 ロイター] - 石破茂首相は25日、経団連審議員会であいさつし「日本経済をけん引する意味でも自社の成長力を高める意味でも、高い水準での賃上げ、パートナーシップ構築宣言に基づく価格転嫁に引き続き尽力してもらいたい」と呼びかけた。 首相は、地域の中堅・中小企業など日本全体に行き渡る形で「物価上昇に負けない賃上げを定着させる必要がある」と強調。11月に行った政労使の意見交換で大幅な賃上げの実現を経済界に要請したことを紹介した[L3N3MX0CC]。 連合の集計では、24年春闘は基本給を底上げするベースアップ(ベア)と定期昇給(定昇)を合わせた平均賃上げ率は5.10%と、33年ぶりの高水準で着地。ベア率は3.56%と、集計を開始した2015年以降で最も高かった。 日銀の植田和男総裁は12月の金融政策決定会合後の会見で、追加利上げの判断について「賃金と物価の好循環の強まりを確認するという視点から、来年の春季労使交渉に向けたモメンタムなど今後の賃金動向についてもう少し情報が必要」と説明しており、金融政策の先行きを占う上でも春闘の動向が注目されている。