阪神2軍が神鋼ラグビーと交流!
阪神の掛布雅之2軍監督が29日、坂井信也オーナーと共に神戸ユニバー記念競技場を訪れ、ラグビーのトップリーグ、神戸製鋼vsNTTドコモ戦を観戦した。関西財界のトップ同士として、神戸製鋼の佐藤廣士・会長と、坂井オーナーの親交が厚く実現した異種交流。先のW杯で日本代表が大活躍したことで折りしもトップリーグにも大ブームが巻き起こっており、この日の観客も1万人を超えていた。 試合は、開幕連勝でスタートを切り、日本代表を4人揃える神戸製鋼が有利と見られていたが、敵陣に攻め込みながらもインターセプトされるなどのミスや、反則を犯すシーンが目立ち、試合終了間際に猛追をかけたものの及ばす24-25で、神鋼が惜敗した。 昔から格闘技やラグビーなど他スポーツに興味を抱き、観戦経験もあった掛布2軍監督は、「いい経験をさせてもらった。色々と感じて学ぶ点があった。一番に感じたことは、ラグビーは格闘技だが、あの凄い肉体を作りあげながらスピードを失っていないということ。どうしても筋量を増やすと動きは鈍くなるはずだが、神鋼の選手にはスピードがあった。今のラグビーはスピードが必要であると教えてもらったが、どういうトレーニングをしているのかに興味を持った。金本監督もウエイトトレーニングを中心にした基礎体力の強化をテーマにしたいと言っているからね」と、振り返った。 金本新監督は、自身が連続フルイニング出場の世界記録を達成するほどの強靭な体を作った広島のジム「アスリート」の平岡代表を秋季キャンプに招いて講習会を開き、肉体作りを推進していく方針を明らかにしている。その講習で刺激を受けた若手が、さっそく広島のジムを訪れるなど肉体の意識改革が始まっている。 掛布2軍監督も、その金本新監督の意向に沿い、若虎の肉体改造計画を熟考中だったが、今回のラグビー観戦に大きな刺激を受けた。さっそくこの日、神鋼のトップに神鋼のトレーナースタッフや選手を阪神のファームに招き、ラグビー流のフィジカル強化の極意の一部を聞かせてもらう機会を作ってもらえないかと相談して快諾を得た。 野球とラグビーでは使う筋肉も強化する方向性も違うが、トレーニングに関する知識や理論を広げるだけでも、その意義は大きい。そのうちの何かを野球のトレーニングに取り入れることができれば、さらにプラスに働く。ラグビーのシーズン中は、講習会の実現は難しいため、今後、阪神のファームと神鋼で、日程などがつめられていく予定。ラグビーと野球の異種トレーニング交流は異例だが、柔軟でポジティブな思考をもっている掛布2軍監督らしい発想で、金本新監督が「超改革」を旗印に掲げた新しい阪神らしい試みだろう。