レアル・ソシエダが『ジャパンアカデミー』で目指すものとは…オラべSD「数年後にはトップチームへ」
日本代表MF久保建英の所属するレアル・ソシエダは今月11日、YASUDA group(ヤスダグループ)との「パートナーシップ契約」を締結。都内で契約締結発表会見を開き、レアル・ソシエダの教育システムを生かした『ソシエダ・ジャパンアカデミー』の開校と、トップチームによるジャパンツアーを2024年に開催することなどを発表した。 会見には、契約締結に伴い来日したレアル・ソシエダのロベルト・オラベSD(スポーツ・ディレクター)も登壇し、『ソシエダ・ジャパンアカデミー』について言及。オラベSDは「大きな目標はレアル・ソシエダで長年築き上げてきたものを用いて日本の中から数年後にトップチームで戦える選手を発掘、成長させること」とコメント。下部組織からトップチームに多くの選手を輩出しているレアル・ソシエダで経験を積んだ指導者を日本に送り出すとともに、今回のアカデミーの対象となる小学生年代に限らず、中高生に関してもスカウティングを行なうことで日本全体の才能を発掘していく考えも明かした。 会見後、来日したオラベSDに『ソシエダ・ジャパンアカデミー』の構想やレアル・ソシエダの育成システムについて話をうかがった。
■日本の才能発掘へ
――『ソシエダ・ジャパンアカデミー』の開校は、どのような影響をもたらすと考えていますか? オラベSD レアル・ソシエダには情熱をもって働くスタッフがいます。そのスタッフたちを日本に連れてきて、クラブのメソッドを浸透させて、編成の中に育てた選手たちを組み込み、数年後にはトップチームへ輩出できるようにしていこうと考えています。 ――クラブのメソッドを浸透させるために、どのくらいの時間が必要だと考えていますか? オラベSD (年齢が)若ければ若いほど、クラブの中で確立された軌道に乗せて、じっくり時間をかけて適応してもらう必要があると思っています。今、アカデミーには7年(※)在籍している選手たちがいますが、3年目くらいから、少しずつスビエタ(下部組織の拠点)で行っているメソッドを理解してくるかなという印象です。 ※レアル・ソシエダが本拠地を置くバスク地方では、小学生年代(12歳)まで1年を通して同じスポーツをすることが認められておらず、特定のチームで活動することを禁じられている。そのため、レアル・ソシエダには13歳から在籍可能となる。 ――今回のアカデミーの対象となるのは小学生年代になりますが、その先の年代に関しては、日本で育成するのでしょうか?それともスビエタで育成するイメージでしょうか? オラベSD 1月、2月でレアル・ソシエダで必要な技術を選手たちに習得してもらいます。3月には日本の選手たちがもともと持っている技術と融合させて、才能のある選手を発掘、選出します。そして、4月には2024年から2025年にかけて行うスクールを開始して、才能のある選手をスビエタに連れていこうと考えています。ただ、重要なのは、時間をかけてしっかり選手たちにメソッドを浸透させることです。すぐに結果を出そうとは考えていません。 ーーなぜ日本に? オラベSD 日本には技術のある選手が非常に多い。私たちが長年築きあげてきたものにフィットできるスタイルがあると思っています。日本以外にもアフリカなどにアカデミーがあるので、そういったところからメソッドを浸透させた選手たちが出てくることを願っています。