台湾の「緊急地震警報」 来月から発報基準変更 発報の「漏れ」防ぐ
(台北中央社)交通部(交通省)中央気象署(気象庁)は30日、規模の大きな地震が起きた際に発報する緊急地震警報(国家級警報)について、9月1日から現行の発報基準に加え、台湾および周辺海域でマグニチュード(M)6.5以上の地震を観測し、震度3以上の揺れが予想される場合にも発報すると発表した。発報の「漏れ」が起きないようにするとしている。 緊急地震警報は2016年に運用を開始した。現行では原則として台湾および周辺海域でM5以上の地震を観測し、震度4以上の揺れが予想される場合に発報する。今年4月3日に東部海域を震源とするM7.2の地震が起きた際には、最大震度5弱を観測した台北市など一部地域で、当初予想された震度が基準に達していなかったため、警報が携帯電話などに配信されなかった。 同署地震観測センターの呉健富主任は、大きな地震が起きると一定の面積の断層破壊が起きるが、破壊には時間がかかり、現在の警報システムでは最初に予想される震度が小さく見積もられやすいと指摘。規模の大きな地震では高層階で揺れが顕著になり、適切な避難行動を取る時間の確保が必要になるため、発報の条件を変更するとした。 また新たな基準では各県市で発報される警報の数が増えると見込まれるが、実際のニーズを踏まえた上で、国民の日常生活を妨害しないことを原則にすると語った。 (汪淑芬/編集:齊藤啓介)