セーヌ川、8年がかりで"大掃除"するも「大腸菌やバクテリア」の痕跡が...。パリ中で物議を醸す
7月26日深夜(日本時間)にいよいよ2024年夏季オリンピックが開幕する。パリとその近郊で開催される第33回夏季オリンピックには、世界中から一流アスリートが集結。さまざまなスポーツで競い合う選手たちが勢ぞろいする開会式は今年、パリ市内に流れるセーヌ川上で行われる。 【写真】あの感動をもう一度!東京2020オリンピックから生まれた、アスリートたちの珠玉の名言集 各国代表団を乗せた船でセーヌ川を下るのだ。スタジアム以外で開会式が行われるのは史上初。競技と同じくらい注目を集めるイベントになり、今後のオリンピック開会式演出のハードルが上がるのは間違いない。 そこで、2024年夏季オリンピック開会式について知っておくべきことをまとめてみた。
開会式はセーヌ川で開催
パリオリンピックの開会式は、フランスの首都から英仏海峡に流れるセーヌ川で行われる。開会式がスタジアムの外で行われるのは史上初。光の都パリと、その中心を流れる水路を讃えた演出は、華やかなスペクタクルになるに違いない。 他に類を見ない舞台で、オリンピック史上もっとも大規模な開会式となり、誰でも川まで歩いて行けば観ることができる(道路は間違いなく人で埋め尽くされているだろうけれど)。 各国のオリンピック委員会の船は、オステルリッツ橋からエッフェル塔の向かい側にある終点のトロカデロまで、約6.4kmを旅する。終点となる場所では、さまざまなパフォーマンスが催される。
セーヌ川は大規模な浄化作業が行われた
開会式のパレードだけでなく、セーヌ川はトライアスロンの水泳やマラソンスイミングなど、水泳数種目の会場としても使用される。そのため、8年がかりで本格的な浄化作業が行われた。 セーヌ川には大腸菌や腸球菌などバクテリアの痕跡があることから、100年間、水泳が禁止されてきた。パリ市は15億ドル(約2400億円)をかけて浄化し、大部分は成功したが、解放されているという川の本質や、市の下水が流れてくることから、浄化された状態を維持するのは難しい問題だ。 セーヌ川で競技を行うという決断がなされたものの、今月初旬の調査で、きれいになったはずの水からバクテリアが発見されたことから、また物議を醸している(数週間前にパリ市長のアンヌ・イダルゴが安全性を証明するため泳いで見せたが)。 もし、大会期間中に豪雨で雨水がセーヌに流れ込んだ場合は、競技は屋内で行われる。