著作者人格権では漫画原作を守れない?多忙な原作者とドラマ制作との距離感 『セクシー田中さん』めぐり日テレが本格調査
日本テレビは15日、ドラマ『セクシー田中さん』をめぐり、小学館や外部有識者の協力を得て、社内に特別調査チームを設置すると発表した。 【映像】「一体何が事実なのか」脚本家・相沢友子さんコメント(一部) 原作者の芦原妃名子さんが、実写化をめぐるトラブルを明かしたのは先月。「何があったのか」「反故にしたのは誰なのか」など、小学館や日テレに対して、経緯の説明を求める声が上がっていた。 8日、小学館の担当部局は、編集者一同としての声明を発表した。その中には「『著作権』と呼ばれる権利には、『著作財産権』と『著作者人格権』というものがあります。『著作者人格権』というのは著者の心を守るための権利です」という説明があった。 「著作者人格権」とは契約を結ぶまでもなく、すべての原作者が持っている権利だ。果たしてそれは守られているのだろうか?『ABEMA Prime』では、漫画コンサルタント、俳優の東出昌大などと議論をした。
■原作改変はやむなし?映画とは違うドラマ制作の“タイトさ”が影響か
エンターテインメント分野に詳しい弁護士の高木啓成氏は「狭義の著作権でもある著作財産権は『ドラマ化する代わりに使用料をください』などとビジネス周りの権利。一方で、著作者人格権は、自分が公表するかどうかや、クレジットを表記してもらう、意に反する改変をされたくないというもの」と説明。 この権利はどれほど守られているのか。「契約では、守らなければならないと定められている。しかし、テレビドラマの制作は非常にタイトなスケジュールで、原作者が現場に関わらないことも多い。ディレクターや脚本家、役者との間で進めていくことが多い」と指摘する。
日本文芸社取締役で漫画コンサルタントの竹村響氏は「意にそぐわない改変というポイントについては、逆に言えば説明して納得してもらえればいい。映画はスケジュールに余裕があるので、脚本を提出して、直すいうやりとりを原作者と行う。しかし、テレビはその余裕がない。例えば、ロケ中に雨が降ってしまった時、“このシーンは雨じゃ絶対にダメだ”と原作者が言えば本来はダメだが、現場にはいない。後から言われた時に撮り直せるのか?という問題はある」と述べた。