旧富崎小でキクラゲ栽培 利活用提案事業者と契約締結 館山(千葉県)
館山市の旧富崎小学校の利活用について同市は15日、国産キクラゲ栽培事業を提案して優先交渉権者に選定された、ビタミンファーム株式会社(長谷部野歩代表取締役、本社・東京都港区)と使用貸借契約を締結した。 校舎棟などを無償貸し付けする内容で、同社では今後設備工事をして、3~4月の稼働を目指している。 同校は平成24年に休校し、29年に閉校している。跡地について、市では民間からの提案で有効活用し、地域活性化につなげようと民間事業者を公募。昨年3月の審査会で同社を優先交渉権者に選定していた。事業者との詳細協議や地元説明、議会の議決などを経て、契約に至った。 事業内容は、旧校舎棟の教室内にビニールハウスの栽培設備を整備し、無添加、無農薬の国産キクラゲを栽培する計画。初年度は教室3部屋を使い、年間18トンの収穫を目指している。 地域の高齢者や若い世代を優先して雇用し、農福連携として市内の就労継続支援B型事業所と連携し、障害のある人の就労機会も創出していくという。グルメイベントや地域住民向けのキクラゲ摘み取り体験なども予定している。 契約は旧校舎棟(鉄筋2階建て、延べ床面積2042平方メートル)、同棟周辺の土地2052平方メートルを無償で貸し付ける内容で、期間は令和11年1月14日まで。 市役所であった締結式には、森正一市長や長谷部代表取締役が出席し、契約書に署名をした。 森市長は「民間事業者による廃校利活用は館山市で初めてのケースとなる。予定する事業内容の中には、特産品とする考えや地域の雇用促進、地域活性化などに向けた提案が多くあり、今後の事業展開に大きく期待している」とあいさつ。 長谷部代表取締役は「地元の皆さんとコミュニケーションをとりながら、付加価値を付けて館山の特産品とし、日本一の生産量を目指したい」と語った。