天然塩と精製塩の違い、血糖値対策に含蜜糖…意外と知らない「塩と砂糖」
食生活に必要不可欠な“塩”と“砂糖”。 小売店にはいろいろな種類の塩や砂糖が並ぶが、どれを買えば良いか悩んだ経験はないだろうか。 ■【画像】肉料理に合うのは岩塩■ 「岩塩と海塩、上白糖とてん菜糖、など同じ調味料でも種類は多岐にわたります。含まれる成分や合う料理も幅広いですよ」(グルメライター) 販売されるものでも値段はピンキリ。管理栄養士の望月理恵子氏は、価格の違いについて以下のように解説する。 「値段が高いほど質が良く、不純物が少ないものが多い傾向。ミネラル分も多く含まれています」 とはいえ、同じ価格帯の塩と砂糖でも、名前も違えば向いている料理も異なる。今回は望月氏協力のもと、意外と知らない塩と砂糖の世界を調査した。 人間に一番身近な調味料といえば“塩”。大きく分けると“天然塩”と“精製塩”の2つに分類される。 「天然塩は粗塩などしっとりした塩が多く、ミネラルも豊富。塩辛さの中にもまろやかさを感じる味わいです。一方の精製塩は、ミネラルがほとんど取り除かれています。サラサラしているので料理に馴染みやすく、塩辛い味が際立っていますね」(望月氏=以下同)
■血糖値が気になるなら含蜜糖
この“天然塩”も、大きく“岩塩”、“海塩”、“湖塩”に分かれる。その中でも、世界生産量の6割が岩塩だというが、 「大昔の海水が長い年月をかけてできた塩です。産地によって成分が異なるため、色や味も様々。カルシウムや鉄などが豊富に含まれ、パンチのある味わいが特徴です。肉料理や根菜料理に合いますね」 島国の日本に馴染み深いのが海塩。『海の精』や『雪塩』などが有名だろう。 「海水から作られる製造過程でミネラルを多く含みます。優しい味わいで、魚介類料理、野菜や魚料理などにマッチするでしょう」 死海などの塩分量の高い塩水の湖で採取・製塩される塩を湖塩という。 「生産量が少なく希少性が高い塩で、日本では生産されていません。煮込み料理やスペアリブ等の下味付け等に合います」 なお、砂糖の世界はさらに多くの種類に分けられていると望月氏は続ける。 「砂糖は製造方法の違いによって“分蜜糖”(ぶんみつとう)と“含蜜糖”(がんみつとう)に分けられます。分蜜糖とは、結晶と蜜を分けて結晶だけを取り出した砂糖。対する含蜜糖は、原料から抽出した糖汁を煮詰めて作られたものです」 分蜜糖の代表的なものとしては、万能に使える“上白糖”、和食などの甘辛い味付けによく合う“三温糖”、かき氷のシロップやあんみつに使われる“白ざら糖”が挙げられる。 「ほとんどミネラルは残っていませんが、味にクセがなく、安価なので普段使いやすいのが特徴です」 一方でミネラルや栄養素を豊富に含むのが、含蜜糖。口溶けの良い“和三盆”、お菓子や料理に使う“きび糖”などが存在する。 「ミネラルが豊富で独特の風味やコクがあるのが特徴。特におすすめは“黒糖”です。カリウム、カルシウム、鉄、亜鉛、銅、ビタミンB6などが多く含んでいるので、栄養分を摂りたい方にピッタリですよ」 ちなみに、「てん菜糖」と言われている多くはは“含蜜糖”だ。 「日本で流通する砂糖の6割は、さとうきびが原料の“甘しょ糖”です。対して、北海道などで栽培されるてん菜を加工したものが“てん菜糖”になります」 なるほど。ただ、結局はどの砂糖を選べば良いのだろう……。最後に望月氏はこうアドバイスする。 「料理によって使い分けることが基本。貧血対策や血糖値が気になる方は、カリウムやカルシウム、鉄などのミネラルが多い含蜜糖を選びましょう。ただ、これだけでは必要量には満たないので頼り過ぎは禁物です」 意外にも奥深い塩と砂糖の世界。日々の暮らしに活かせば、QOLも上がるかも?
ピンズバNEWS編集部