レコード店に置いてもらえず、ファンには「どこで買えるんですか?」と…アニソン不遇の時代から始まった、歌手・森口博子と『ガンダム』の“縁”
8月7日に発売されたアルバム「ANISON COVERS 2」のジャケットで34年ぶりにビキニ姿を披露したことでも話題となっている歌手の森口博子さん。アルバムは、オリコン週間アルバムランキング8位、Billboard JAPANトップアルバムセールス週間ランキング5位を獲得とヒット中だ。 【画像多数】初めての『ガンダム』主題歌はレコード店に置いてもらえず…新しいアニソンカバーアルバムではビキニ姿も披露した森口博子さんの写真を見る(全18枚) そんな森口さんの不遇だったデビュー当時、そして自身の音楽人生と切っても切れないガンダムとの関わりについて聞いた。(全3回の1回目/ 続きを読む ) ◆◆◆
「声が良かった」という理由でスカウト
――森口さんとアニメの関わりは1985年、17歳のときのデビュー曲「水の星へ愛をこめて」からですね。アニメ「機動戦士Zガンダム」の後期オープニング曲でした。どういった経緯でこの曲を歌うことになったんですか。 森口博子さん(以下、森口) もともと4歳から歌手を目指して、いろいろなオーディションを受けていたんですが、ずっと落ち続けていたんです。Zガンダムの主題歌はキングレコードのディレクターの大場龍夫さんが歌う人をオーディションで探していたんですが、なかなかいなくて。そんな時、NHK「勝ち抜き歌謡天国」の全国大会で準優勝をいただいたことがきっかけで「声が良かった」という理由でスカウトしていただきました。 ――「水の星へ愛をこめて」の作詞家である売野雅勇さんが雑誌のインタビューで「大場さんは森口さんを大切にしていた」と話されていました。 森口 売野さんが? 嬉しいですね。大場さんは私を身内のようにかわいがってくださって、ご自宅に下宿させていただいていたんです。だから家族みたいな感じで。奥様も毎日私の喉のことを気にしてくださってました。「水の星へ愛をこめて」のレコーディングの際も大場さんに「この曲は君が大人になっても何十年って経っても歌える歌だから、言葉を大切に語尾を丁寧に、上手に歌おうと思わなくていいからね」とアドバイスをいただきました。「言葉を大切にする」という教えは今の私の歌のベースになっています。売野さんが書かれた美しくて普遍的なデビュー曲が、大場さんのおっしゃった通り何十年と沢山の方々に愛されて、生涯の宝物です。