佐伯市の「消防戦隊キコレンジャー」結成20周年 イベントや祭りなどに引っ張りだこ
大分県佐伯市のご当地ヒーロー「消防戦隊キコレンジャー」が結成20周年を迎えた。火災予防などの啓発活動はもちろん、最近は市内外のイベントや祭りなどに引っ張りだこ。市民から愛されるヒーローは「地域の盛り上げにも貢献できれば」と張り切っている。 5人組ヒーローは2004年秋、旧直川村の直川消防団上直見分団で誕生した。全国的にローカルヒーローの話題が多かった時期。初代代表の松田寿明さん(52)=同所上直見=ら団員(当時)5人が巡回中に交わした「消防団でやったらおもしろくない?」がきっかけだった。 分団の車両や用具などを保管する「機庫(きこ)」から「キコレンジャー」と名付け、同年秋の閉村記念イベント芸能大会出演を目指した。コスチューム、演出、脚本などを手作りして臨み、優勝に輝いた。 当初は1回だけで終わるはずだった。ところが反響は想像以上で、活動を継続することに。以来、手弁当で子ども向けの消火訓練や消防団員募集のPR動画出演などの啓発活動を続ける。イベントなどでは火事を企てる悪の組織「フシンビー帝国」との戦いを演じ、観客を楽しませながら防火意識の高揚に務める。
現在、演者や支援のスタッフとして30~60代のさまざまな職種の15人が戦隊に名を連ねる。2代目代表の岩尾俊輝さん(34)=市内鶴望=ら30代のメンバーを中心に、月に数回集まって練習し、ショーに備える。 ほぼボランティアで地道に続けてきた20年。松田さんは「好きじゃないとできないこと。共感、賛同してくれた人のおかげで続けられている。うれしいの一言」としみじみ。岩尾さんは「コロナ禍でショーができない時期もあったが、最近は認知されてきたおかげか、呼ばれる回数も増えてきた」と話し、「興味のある方は一緒にやってみませんか」と呼びかけた。