ディズニーリゾート沖にクジラ 体長10m、潮吹き潜る 漁業者撮影
千葉県浦安市の東京ディズニーリゾート(TDR)沖の東京湾で、体長10メートルほどのクジラがいるのを、「東京東部漁業協同組合」(東京都江戸川区)の副組合長理事、小島一幸さん(58)が動画で撮影した。クジラは1、2分潜っては浮上し、時折、潮を吹いてすぐ潜るという動作を繰り返し、30分ほどで見えなくなったという。 小島さんがクジラを発見したのは13日午前7時半ごろ。漁協が設置している定置網へ向かうため、旧江戸川から小型船でTDR沖を航行していた時だ。「先行した釣り船からクジラがいるという情報があって注意していたところ、船の横10メートルくらい離れた海面に、すれ違うようにクジラの黒い背中が出てきて、どかっと背びれが見えたのでびっくりした。船が小さいので、転覆させられる恐怖心はあったが、クジラが好きで撮影した。ここでスナメリは時々見たが、こんなに大きなクジラは初めて」と話す。 動画を見た東京海洋大鯨類学研究室の中村玄准教授は「背びれの形もはっきり分かるので、10メートルもあったなら大人のザトウクジラだろう。夏はベーリング海やオホーツク海にいて、冬は繁殖のために南に移動し、八丈島や小笠原諸島、沖縄などの周辺で見られる。この時期は南下の途中で、回遊中に迷って東京湾の奥に入ってきたのだろう」と解説する。 ザトウクジラは、体長13~14メートル、体重30トンほどの大きさになるナガスクジラ科のヒゲクジラ。主にオキアミや小魚などを食べる。【石塚孝志】