立岡、復活のベテラン 度重なるけが乗り越え―プロ野球・巨人
大けがからはい上がった34歳のベテランが、復活の手応えをつかんだ。 巨人の立岡宗一郎外野手が5月21日、2年ぶりに支配下選手に復帰。ここまで20試合の出場で打率2割6分9厘、7打点、3盗塁と渋い働きで存在感を増している。 【写真】ロッテ戦で適時打を放つ巨人の立岡 5月31日の西武戦で、苦い記憶を振り払った。2年前に左膝手術につながる重傷を負ったベルーナドーム。2点リードの四回無死一、三塁の好機で高橋の直球を左前に運び、追加点をもたらした。「無事にプレーできてよかった。いいきっかけになれば」 度重なるけがに悩まされた苦労人だ。2012年のシーズン途中にソフトバンクから巨人へ移籍したが、加入直後の7月に左肘靱帯(じんたい)を断裂した。この影響で右打ちから左打ちに転向。20年にも右手を骨折している。 それでも引退の道は選ばなかった。22年に膝を負傷後、亀井善行コーチから「おまえが離脱してからチームが失速した」と声を掛けられた。「そんなことないでしょ、と思いつつもうれしかった。もっと必要とされる選手になりたかった」。同年オフに育成選手契約を結び、リハビリに励んだ。 どんな苦難にも心は折れずに迎えたプロ16年目。「もう一度東京ドームで走りたい、いいところで打ちたい。それだけだった。ここから全盛期だと思って頑張る」。不屈の精神が4年ぶりのリーグ優勝を目指す巨人の力となる。