“耳かき1杯分”の燃料デブリ、何が分かる?JAEAで14日から分析へ 福島第一原発
テレビユー福島
福島第一原発から取り出された溶け落ちた核燃料=燃料デブリを受け入れた茨城県の日本原子力研究開発機構=JAEAは、14日から詳しい分析作業に入ることにしています。 【写真を見る】“耳かき1杯分”の燃料デブリ、何が分かる?JAEAで14日から分析へ 福島第一原発 福島第一原発から取り出された燃料デブリが入った容器は、12日午後、トラックで茨城県大洗町にある日本原子力研究開発機構=JAEAの研究所に入り、分析を行う施設に運び込まれました。 試験的に取り出された燃料デブリは大きさが5ミリほど、重さはおよそ0.7グラム、放射線量は毎時およそ0.2ミリシーベルトとなっています。JAEAでは14日から分析作業に入り、今後、分割して複数の研究施設で数か月から1年ほどかけて詳しく調べることにしています。 JAEA・荻野英樹技術主席「成分が分かることで固さなどが推定できますと、工法などの検討ができますし、ウランの量などが分かってきますと、臨界の評価に関わってくるという形になります」 福島第一原発には燃料デブリがおよそ880トンあるとみられ、JAEAでは今後の本格的な取り出しに向けた対策の検討に貢献したいとしています。 ■耳かき1杯分の燃料デブリ、何が分かる? 燃料デブリの分析をするJAEAとは、どのようなところなのでしょうか。 日本原子力研究開発機構(JAEA)とは、国内唯一の原子力の総合研究機関で、国からの予算を中心に運営されている国立研究開発法人です。国立がん研究センターや、宇宙航空研究開発機構(JAXA)も同じ国立研究開発法人です。 JAEAの前身となる原子力科学研究所は、1956年、今から68年前に発足して、原子力発電の研究や核燃料サイクルなどの研究を重ねてきました。2011年の福島第一原発事故のあとは、廃炉に関する技術開発にも努め、廃炉の作業用ロボット開発のため、楢葉町に遠隔技術支援センターも設けています。 今回取り出した0.7グラムの燃料デブリは耳かき1杯分ですが、多くの情報が得られると期待されています。今後、分割して、複数の研究施設で分析されますが、その中心の役割をJAEAの研究施設が担います。今後は、その固さからどんな成分が含まれているか、核物質がどの程度含まれているのかなど、さまざまな面で分析が行われます。
880トンあるとみられる廃炉最大の難関、燃料デブリの本格的な取り出しに向けて、どれだけの情報が得られるか、注目が集まります。
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