女性版マッスルバーに行ってみた!世界中のトレーニーや筋肉好きが集う「唯一無二の楽園」に酔いしれる
【話題の現場 突撃ルポ】#30 東京・池袋駅西口から徒歩数分。雑居ビルの階段を地下に下りて扉を開けると、そこは異世界だった。 【写真】ロコ・ソラーレ藤澤五月が絞り込まれたムキムキボディを披露(2023年・中央が藤澤) 《いらっしゃいマッスル~!》 明るい声で招かれた本紙記者が店内を見渡すと、20畳ほどの細長いフロアには大音量で音楽が流れ、天井には複数のミラーボール、奥にはステージが設置されていた。それだけなら一般的な「DJバー」に見えなくもない。 しかし、フロア中央のコの字形のカウンター内にはなんと、筋骨隆々の女性がズラリ。店内ほぼすべての女性スタッフが目を疑うほどムキムキだった。鍛え抜かれた筋肉が際立ち、あらゆる部位のサイズが一般人のそれとはまるで違う。 面食らったのも束の間、すぐさま独特なコールが響き渡った。 《♪か~んぱいマッスル! 乾杯マッスル! ハイ! 乾杯マッスル! 今夜はみんなでマッスルパーティ~!》 そう、ここは女性版マッスルバー「筋肉女子 マッスルガールズ」だ。店長のハリさんが言う。 「世界中のトレーニーや筋肉好きが集まる世界で唯一の筋肉の楽園です」 聞けば、スタッフは裏方を除いてみなボディービルや格闘技などで体を鍛えた女性で構成されているという。客層を改めて観察すると、記者が訪れた時間帯は全員が外国人で、あちこちで英語が飛び交っていた。 「海外のインフルエンサーが拡散してくれたおかげで人気に火が付き、お客さまの9割以上が外国人です。スタッフも日々勉強して、みな英語で接客できるようになっています」(ハリ店長) 各グループに1人ずつ筋肉女子が付いて接客するため、目の前の「絶景」を眺めるだけでも十分楽しめるが、この店のエンターテインメントの本番は別にある。
客の頭上からグレープフルーツを生絞り
入店からほどなくしてDJが名物《生絞りサワー》の提供を告げると、筋肉女子がさっそうとTシャツを脱ぎ捨て、へそ出しタイプのスポーツウエア姿を披露。自慢の上腕二頭筋を掲げながら、手に持ったグレープフルーツを客の目の前でギチギチと絞り始めた。 ひと際大きな歓声が上がる方に目をやると、筋肉女子が上半身裸になった男性客の頭頂部から、グレープフルーツを絞り出しているではないか! あふれ出た果汁が頬を伝い、顎下に置かれたグラスへボタボタと垂れている。 こんなエキセントリックなカクテルの作り方は前代未聞だ。 息をつく間もなく今度は「ショータイム」に突入。筋肉女子がポールダンスを実演したり、客も総立ちになって一緒に筋肉ダンスを踊ったりと刺激的な時間が続いた。 ■店内の空気を切り裂くビンタの音 ショーが終わると、同店の神髄が待っている。気になるキャストに店内専用通貨「マッスル$」(10マッスル$=1000円)を渡せば、ここでしか体験できない特別なオプションメニューを堪能できる仕組みだ。 「特に人気なのは《マッスル指名ビンタ》(10マッスル$)です」と、ハリ店長。説明を受けている最中も、ステージからは賑やかな店内の空気を切り裂くように「バチーンッ!」という破裂音がこだましていた。とんでもない威力を体感できるのは間違いない。 「その他、《マッスルお姫様抱っこ》や《マッスルお注射》もオススメです。女性客専用メニューも4点用意しているので、男女でご来店いただいても楽しめるようになっています」(同) 午後5時オープンの同店は1日4部制で、席数などの都合で各回計10組しか入れないため、HPからの予約は必須だ。ハリ店長が「オススメ」という80分コース(5000円)には前述の名物《生絞りサワー》が含まれ、飲み放題。マッスル$を購入して存分に楽しんでも、1万円でお釣りがきそうな良心価格となっている。 《今日はありがとうございマッスル~!》 あっという間に80分が過ぎ、見送られて退店。筋肉女子たちの笑顔やエネルギーが頭に刻まれた記者は、再訪を心に誓うのであった。 (取材・文=杉田帆崇/日刊ゲンダイ)