「機動破壊」再び 健大高崎、足を絡めた攻撃で上位進出狙う センバツ出場校紹介
2年ぶり6回目の出場となる健大高崎(群馬)は、昨秋の公式戦は関東大会準決勝の山梨学院戦を除く7試合で計18盗塁。青栁博文監督は「1~9番まで走れるチーム」と自信を見せる。代名詞である「機動破壊」の色が濃いチームが甲子園で見られそうだ。
勝負強さと集中打で関東大会4強
昨秋の県大会は春を制した前橋育英、夏の選手権に出場した樹徳といずれも春と夏の決勝で敗れた相手に雪辱し、2年ぶりに優勝した。関東大会では、粘り強さと集中打で4強入りを果たした。 青栁監督が「走力のある選手がいる。足を絡めるのがポイント」と話すように、持ち前の機動力は健在だ。1、2番を担った半田真太郎(2年)と増渕晟聖(じょうせい)(同)は県大会5試合でともに5盗塁をマークし、着実に得点に結びつけた。 関東大会では、青藍泰斗(栃木)との1回戦は、半田、増渕、堀江大和(2年)の3連続長短打で2点差を追いつくと、その後は半田のスクイズと、犠飛で手堅く加点した。横浜(神奈川)との2回戦は2点のリードを追いつかれたものの、八回、連打をきっかけに満塁とし、箱山遥人(1年)が走者一掃の決勝二塁打を放ち、勝負強さを発揮した。
OBのコーチ就任、走塁ノウハウ伝授
2015年の春夏の甲子園メンバーだった小谷魁星コーチが20年に就任し、走塁のノウハウを伝えている。練習は「盗塁」「戦術的走塁」「走塁技術」に分け、計50以上の練習メニューを用意。週に4日、1回あたり30分以上をかけて磨きをかける。関東大会1回戦の青藍泰斗(栃木)戦は、二回1死一、二塁から團之原樹が相手の投球がワンバウンドになることを読んで三盗を成功させるなど高度な技術の一端を見せた。 チーム打率は出場32チーム中、下から2番目の2割6分6厘だが、半田は1本塁打を含むチーム最多11安打で打率は4割超、「塁に出ればどこからでも走れる」と頼もしい増渕は9安打と上位打線が活発だった。團之原は5番でチーム最多9打点をマーク。7番・箱山は打率3割6分、7打点と勝負強く、冬場のウエートトレーニングで体重は5㌔増え、打球に力強さが増した。 投手陣の軸は、最速145キロのエース右腕の小玉湧斗(2年)だ。関東大会1回戦、2回戦ともに2失点完投と安定した投球を見せた。左の加藤達哉(同)や右の多田結祐(同)も控えている。 センバツでの最高成績は初出場した12年の4強。チーム一丸となって、上位を目指す。青栁監督は「初戦をどう戦うかで上位に行けるかが変わってくる。初戦の入りに最善を尽くす」と意気込む。