■ダブル主演を務めた川西＆桜田は「とても堂々としていた」

――川西さんと桜田さんはダブル主演として現場に臨まれましたが、撮影に入る前に意識されたことはあったのですか？ 桜田：ひとりで主演を務めた時は「引っ張っていかなければ」とか「がんばらなければ」という気持ちが強かったんですが、今回は2人だったので、その重みが半分に分散されている気がしました。横に川西さんがいてくれましたし、さらに井之脇さんや柳さん、ほかの共演者も監督をはじめスタッフさんもいてくださったので、心強かったです。 川西：僕は今回初めて主演という役割をいただき、自分が引っ張っていかなければとか、常に元気でいなければいけないという思いで現場に臨んだのですが、いざ入ってみるとキャストやスタッフの方々に引っ張られまくって、首をつかまれ、猫みたいな感覚でした。 ――桜田さんや川西さんを見て、井之脇さんや柳さんはどう感じていたのですか？ 井之脇：川西さんは引っ張られたと言っていましたが、僕は真ん中に2人がドシっといてくれるイメージがあったので、自分のことだけ考えていればいいと思えたんです。とても助けられました。 柳：本当にその通りで、川西くんは映画初主演とは思えないぐらい。2人とも堂々としていました。桜田さんも毎シーン「さすがクオリティー高いな」って思って見ていて、自分が年齢的に年上なのに、ベースのことしか考えていなかったなって。本当に引っ張ってもらいました。 ■人生のターニングポイントとなった出会い ――この作品は、清澄が潮に会ったことで、人生が大きく変わっていきました。みなさんにとって、大きく変わるきっかけとなった出会いはありますか？ 川西：僕は普段JO1というグループで活動しているのですが、デビュー当時は小さなことでもすごく気にしてしまう性格だったんです。でもみんなと出会えたことで、小さなことで悩むことは少なくなりました。グループに入れたことは大きな出会いでした。 桜田：私は愛犬に出会えたことが大きなターニングポイントでした。元々ワンちゃんを飼いたいなと思っていたのですが、5年ほど前に出会って、そこから自分の悩み事や考え事なんか全部なくなってしまうぐらい癒されています。100％の愛情を私に向けてくれるので、この子のためにがんばろうと思えるようにもなりました。 井之脇：僕は山を好きになったことで大きく自分が変わりました。僕は少し潔癖症なところがあったのですが、山に行くようになってから気にならなくなりましたし、仕事で煮詰まってしまったときも、山に行くと忘れられるんです。自分の生活に山を取り入れたことで、いろいろなことが変わっていきました。東京ではすれ違う人に挨拶なんかしないじゃないですか。でも山では知らない人とすれ違っても話をするんですよね。人の温かさも感じることができたのは、山のおかげかもしれません。 柳：僕はデビューしたことですね。小さいころ母親と2人で歩いていたら、知らないおじさんに「なんて不貞腐れた顔しているんだ」って言われたことがあるんです(笑)。それから写真に映るのが嫌になっちゃって。でも自分の殻を破りたいと思ってモデルの世界に入って写真を撮られるようになって…人生が大きく変わったポイントです。 ――川西さんは映画初主演を果たしましたが、アーティストとして活動するなか、俳優という仕事への意識は変わってきましたか？ 川西：そうですね。『バジーノイズ』という映画でキャストのみなさんや、風間太樹監督と出会い、本当にお芝居って難しいなと思う一方で、難しいからこそおもしろいなと感じることができました。もっと追求していきたいと、深くお芝居を考えるきっかけになりました。これからもがんばっていきたいお仕事のひとつです。 取材・文：磯部正和