球界大御所が最下位阪神に辛口指摘!「野球を知らない 育て方も知らない」
「超変革」を掲げた阪神が苦しい戦いを強いられている。10日、甲子園で行われた広島戦には0―9と完敗して今季4度目の同一カード3連敗を喫して、対広島に7連敗、その首位・広島とのゲーム差は15.5差と広がった。1996年に長嶋巨人が起こしたメークドラマは、11.5ゲーム差の逆転。マジックを点灯させていた岡田阪神が、原巨人にひっくり返された2008年のメークレジェンドは、13ゲーム差。すでに自力Vは消滅しているが、過去の歴史に重ねても、金本阪神の逆転優勝の可能性は極めて厳しくなっている。 序盤は、ルーキーの高山に横田、江越、陽川が躍動。育成から支配下登録された原口が球宴出場を果たし、北條、中谷らが現在スタメン抜擢されているが、チーム打率.240とチーム本塁打44本はリーグワースト。若手をとっかえひっかえしながら模索してきたが、福留以外の鳥谷、西岡、ゴメスがぱっとせず、マートンに代わる新外国人、ヘイグも2軍落ち。この得点力のなさが、2年目の岩貞や、ルーキーの青柳がせっかく出てきた投手陣にも波及、ゲームを作れなくなっている。 金本監督は、ついに「(この悪い流れを)打破するのは監督、コーチではない。選手一人一人だ」と、工夫の跡や成長が見えない若手、そしてチームの軸となるべき主力の自覚を促す発言をした。 だが、元ヤクルト、西武で監督を務めた“球界大御所”の広岡達朗氏は、その発言に真っ向対抗するような厳しい指摘をした。 「監督、コーチが野球を知らない。ピッチャーのここぞの代えどき、野手をどう使うかの見極めもできていない。金本監督以下、多くのコーチが指導者として未経験で、選手を育てたことがない影響だろうが、シートノックをひとつ見ていても、コーチも選手も遊んでいるではないか?」 現状を打破するのは、監督、コーチ、そして、フロントだと主張するのだ。 広岡氏は、「例えば」と、リーグで成功率が最も低く、一向に改善しないバントの話を出す。 「バントが成功しない。バントの基本は、体の重心を下にして構え、バットの芯を外して、打球を殺してコツンと当てるもの。正しい基本を覚えて、徹底すれば、ゲームでも対応できる。ただ、一、二塁のケースでのバントや緊迫した展開でのバントはプレッシャーがかかる。技術だけでなく、そのプレッシャーをどう克服するかの精神面の強さも必要になってくる。阪神のコーチには、技術も精神面も教える能力がないのだろう。コーチが勉強していないのだ。まあコーチに勉強の場がない日本のプロ野球のシステムにも問題があるのだが」 阪神の片岡打撃コーチなどは、現役時代に主軸を打ち、実戦でのバント経験が少なく教えることは難しいのだろうが、高代ヘッドや久慈内野守備コーチら現役時代にバントが役割だった職人もいるのだから、広岡氏の厳しい目から見ると、教える側が“なっとらん”というわけである。