かつてないほど苦しむシメオネ・アトレティコ、12年連続のCL出場見えた!5位ビルバオとの直接対決を3-1で制する
27日のラ・リーガ第33節、アトレティコ・マドリーは本拠地シビタス・メトロポリターノでのアスレティック・ビルバオ戦を3-1で制した。 4位アトレティコと彼らを勝ち点3で追う5位アスレティックのチャンピオンズリーグ(CL)出場権をかけた直接対決。アトレティコは敵地サン・マメスでのラ・リーガ前半戦を落としており(もっと言えばコパ・デル・レイ準決勝の2試合も敗戦)、もしここで敗れれば当該対決の差で5位に転落する。シメオネ監督率いるチームがこの時期にCL出場圏から外れれば、それは異例中の異例……危機中の危機と呼べる事態となる。 試合はアトレティコがボールを保持して攻め込み、アスレティックがミドルゾーンでのブロック形成から速攻を狙う展開。アスレティックの組織的かつフィジカル的な守りにアトレティコは苦戦したが、16分に幸先よく先制点を決めた。左サイド、サムエウ・リーノのクロスをレクエがクリアし損ね、ペナルティーエリア手前でこぼれ球を拾ったデ・ポールがミドルシュート。これがガラレタに当たってコースが変わり、枠内に吸い込まれている。 先制したアトレティコは、ここからコパ王者の反撃を受けることに。とりわけイニャキ・ウィリアムズの圧倒的なスピードを生かした突破にエルモーソが苦慮し続けた。それでも、何とか1点リードを維持したまま前半終了間際までたどり着いたが、そこから連係が一気にチグハグとなり44分に失点。グリーズマンのバックパスが、そのままDFラインの裏にいたI・ウィリアムズへのパスとなり、グルセタを経由してニコ・ウィリアムズがGKオブラクが守るゴールを破っている。 アトレティコの前半終了間際の体たらくに、観客は多量のブーイングをピッチに浴びせていた。そうして迎えた後半、ホームチームは52分に名誉を挽回する勝ち越しゴールを決めた。中盤でコケが右足を振り抜くと、超精度の浮き球がDFラインの裏へ。これをアンヘル・コレアが巧みにトラップすると、GKウナイ・シモンを引きつけてから左足のシュートでネットを揺らした。 再びリードを得たアトレティコは、またアスレティックの反撃を受けながらも凌ぎ続け、80分に3点目を記録。エルモーソのスルーパスからペナルティーエリア内左に侵入したS・リーノが、内に切れ込んで強烈な右足のシュートを放つと、U・シモンが止め切れなかったボールが枠内に転がっている。 アトレティコはこの2点リードを維持したまま試合終了のホイッスルを迎え、ついに今季アスレティックに初勝利。勝ち点を64として、5位アスレティックとの差を6に広げている(2位ジローナとは勝ち点7差、3位バルセロナとは暫定で6差)。シメオネ政権下、12シーズン連続となるCL出場権獲得がついに見えてきた。 なおこの試合の直前には、今季限りでの引退を表明したアスレティックMFラウール・ガルシアに対するセレモニーがささやかながら行われた。アトレティコに9シーズン在籍した同選手に対して、観客は「ありがとうルーロ(ラウール・ガルシア)、あなたはずっと私たちの一人です」との横断幕を掲げている。