ボディパネル75%以上カーボンコンポジット! ランボルギーニ・ウラカンSTO コファンゴも採用
レーシングカーの血筋を受け継ぐ
「ウラカン・スーパートロフェオ・エボやGT3エボといったレーシングカーの血筋を受け継ぎながら、公道走行が可能なホモロゲーションを取得したスーパースポーツカー」 【写真】ランボルギーニ・ウラカンSTO試乗の様子をみる (56枚) 2020年に発表したウラカンSTOのことを、ランボルギーニはそう説明している。 「レーシングカーとしてのホモロゲーションを取得するために生産されたロードカー」という話はよく耳にするが、ウラカンSTOの成り立ちは、それとは正反対。ただし「レーシングカー直系のロードカー」という捉え方をすれば、両者はまったく同じ関係にあるといってもいいだろう。 なるほど、ウラカンSTOにはレーシングカーと共通のテクノロジーが数多く採用されている。その最たるものが、コファンゴと呼ばれるフロントカウルだ。 これはボンネット/フェンダー/フロントスポイラーなどをコンポジット素材で一体成型した部品のことで、素早い部品の交換などが重要となるレーシングカーではよく見られる手法。 また、一体成型することで軽量化にも役立つが、デザイン的には往年のミウラや限定モデルのセスト・エレメントなどにインスパイアされたことも事実のようだ。 そのほかにも、攻撃的な形状のフロントスプリッター/ボンネット上のエアダクト/ボディ後部のシャークフィンと巨大なリアウィングなど、レーシングカーさながらのエアロデバイスについては枚挙に暇がないほど。 この結果、空力効率を37%改善するとともに、ダウンフォースの量は53%も増加させることに成功したという。
希少となったNA、しかもV10
軽量化への努力にもぬかりはない。ウラカンSTOではボディパネルの実に75%以上をカーボンコンポジット製として1339kgの乾燥重量を達成。これは同じく軽量化に取り組んだウラカン・ペルフォルマンテより43kgも軽いという。 エンジンはウラカン・エボやウラカン・スーパートロフェオに搭載されるのと同じ超高回転型自然吸気V10エンジンで最高出力640ps/最大トルク57.61kg-mを発揮。 ここで生み出されたパワーは7段DCTを経て後輪にのみ伝達される。この点が、前作ペルフォルマンテとの最大の違いといっていいだろう。 シャシー面ではトレッドを拡大したほか、サスペンションブッシュやアンチロールバーを強化。さらに4WSやトルクベクタリングを装備し、ステアリングレシオをよりクイックにするなどして、さらにダイナミックなハンドリングを実現したという。 このSTO、レーシングカー直系のモデルだけあって、公道を走るにはいささか我慢が必要となる。路面からのゴツゴツとした衝撃は比較的はっきりと乗員に伝わってくるほか、波打つようなうねりが続く路面ではボディが上下に揺さぶられるため、快適性は決して高くない。巨大なリアウィングが後方視界を妨げている点も、人によってはストレスを感じるところだろう。 いっぽうで軽量設計の恩恵もはっきりと感じられる。とにかく発進時の動き出しが軽快なうえ、ステアリングレスポンスも極めてシャープ。期待値以上に反応が軽快なため、ワインディングロードでは何度となくオーバースピード気味でコーナーに進入しそうになったほどだ。