福本莉子〝これが私の終わりなき道〟裏表のない人柄、趣味は茶道「正解がないところは〝女優道〟も似ています」
どんな仕事にも誠意をもって挑む、真面目な性格なのだ。
プライベートでは、学生時代から続く、いい友達に恵まれている。友達付き合いで大切にしていることは、「ちゃんと感謝すること」だという。
「『親しき仲にも礼儀あり』なんですよね。例えば、レストランを予約してもらったら、ありがとうと言うとか。当たり前のことですが、相手を気遣う気持ちは何年たっても大事。ちょっとしたズレが響いてくるので」
けんかをすることはあるのだろうか。
「昔はあったけど、今はないです。みんな個性豊かですが、『その子にはその子の考え方がある』のだと理解し合っています。みんな思ったことしか言わないから、居心地がいいんです。お世辞とかもないので、昔から」
そう話す彼女自身も〝裏表のない人柄〟なのが感じられる。
「噓をつけないんです。ついたらすぐばれるタイプ。顔に出てしまうので…」
趣味は渋く、茶道をたしなんでいる。
「茶道をやっているときはお点前(おてまえ)のことしか考えないので、ある意味、瞑想(めいそう)に近いんです。ひとつのことに集中していると、心が安らぎます。お茶会では初対面の方と一緒にお茶をたてたり、飲んだりして、お話しするのですが、一期一会で楽しいです」
お茶の道を歩みながら、生きる上で大切な〝人の道〟も学んでいるようだ。
「茶道は学ぶことが多いから飽きないんです。書道でも華道でも『道』がつくものは終わりがないと言いますよね」とにっこり。
〝女優道〟はどうだろうか。
「確かに、芝居も正解がないですね。茶道は同じお点前でも人によって違うように、芝居も同じセリフでも、人それぞれ動きや表情は変わります。終わりがない、正解がないところは似ています」
若いのに、内面がしっかりしている。終わりなき女優道を懸命に歩み続けているのだ。
(ペン・加藤弓子 カメラ・関勝行)
■福本莉子(ふくもと・りこ) 女優。2000年11月25日生まれ、23歳。大阪府出身。18年公開の「のみとり侍」でスクリーンデビュー、「コンフィデンスマンJP」(フジテレビ系)でテレビドラマ初出演を果たした。21年公開の「しあわせのマスカット」で映画単独初主演。22年は、映画「君が落とした青空」でTravis Japanの松田元太とW主演し、映画「20歳のソウル」ではヒロインを務めた。同年に公開した、なにわ男子の道枝駿佑とW主演映画「今夜、世界からこの恋が消えても」で日本アカデミー賞・新人俳優賞を受賞した。