【高校サッカー選手権】胸を打つジャイアントキリング、駒込が東京朝鮮を撃破!PK戦では2本のシュートをビッグセーブした守護神がヒーローに
T2リーグの東京朝鮮に対し、駒込は地区トップリーグ所属。カテゴリーでは3つ上となる格上との一戦で、胸を打つジャイアントキリングを起こした。 第103回全国高校サッカー選手権東京予選の2次予選が10月12日に行われ、Aブロック2回戦で東京朝鮮と駒込が対戦。80分では1-1、延長戦では0-0という激闘の末、駒込が6-5でPK戦を制した。 【フォトギャラリー】東京朝鮮 vs 駒込 試合は序盤から東京朝鮮が駒込を圧倒。立ち上がりはロングボールを活用し、セカンドボールの回収で相手を上回る。敵陣に押し込めるようになると、徐々にショートパスやダイレクトプレーを増やしていく。 ポゼッション率を高めた東京朝鮮は、局面の華麗なコンビネーションで相手を翻弄。前半24分にはCKからDF3チョン・テチョル(2年)がヘディングで先制ゴールを奪った。 駒込は劣勢を強いられる時間が長かったが、攻めに転じれば長短のパスを織り交ぜたビルドアップで相手のハイプレスをいなす。前半31分には巧みな連係から抜け出したFW9吉田健悟(3年)が相手DFに倒され、FKを獲得した。 このFKでキッカーを務めたのはDF16武田和輝(3年)。鮮やかな弧を描く華麗なシュートを決め、苦しんでいたチームにスーパーゴールで歓喜をもたらした。 後半に入っても東京朝鮮にボールを保持される展開は変わらないが、駒込はDF武田の同点弾でチームに落ち着きが生まれ、最終ラインに穴を空けない。堅守からの速攻も鋭く、後半11分にはMF11松尾真裕(3年)がシュートを放った。 さらに駒込は後半15分、MF松尾が右サイドを駆け上がり、MF8田村陽太(3年)へ横パス。ボールを受けたキャプテンは、ドリブルから右足を振り抜き、相手ゴールを脅かした。 一方の東京朝鮮は、個々がテクニカルではあったものの、攻めあぐねる時間が続いた。相手の守備ブロックの前で横パスが多くなり、なかなかゴールに迫れない。 終盤に入ってから東京朝鮮はロングボールを増やし、パワープレーで敵陣に押し込む。後半37分には右サイドからのクロスをDF5リ・リョンソン(2年)がヘディングで合わせたが、チャンスを仕留め切れなかった。 延長に入ってからも依然として攻める東京朝鮮に、駒込が耐える展開。クロスをよく跳ね返し、セカンドボールの攻防でも上回った後者の奮闘が光るゲーム内容だった。 迎えたPK戦、駒込が6-5で勝利。2本のシュートをビッグセーブしたGK1岩井明慶(2年)は、この試合のヒーローとなった。 (文・写真=志水麗鑑)