プロ4年目のロッテ・中森俊介が先発初勝利を掴むにあたって必要だった空白の1カ月で得た気づき/ロッテの森コラム(4)
空白の時間が自分を見つめ直すきっかけとなった。ロッテ・中森俊介投手(22)が26日の楽天戦(ZOZOマリン)で六回途中5安打1失点で今季初勝利を達成。昨季の3勝はすべて救援で記録したもので、高卒4年目にして先発初勝利を達成した。 初めから順風満帆なシーズンだったわけではない。今季は首脳陣に「先発をやりたい」と志願し、開幕ローテーション入りを目指したが叶わず。3月中旬にオープン戦を終えると2軍にて1軍先発を果たすべく先発ローテーションを担っていたが、一度登板がピタリと止まった。 4月2日を最後に同30日まで約1カ月間ほど試合で投げない時期があったのだ。「出力を上げられずに苦労した」。状態が思うように整わず苦悩の日々。苦しんだ中で「調整ではなく自分のレベルアップに時間を使うようにしよう」と意識を変えた。 登板日にしっかりと良い状態に持っていこうとするあまり、忘れていた考え。状態を整えるのではなく、自分自身の成長によりつながるような練習に変更。登板の4日前に遠投を取り入れるなど調整法を見直し「出力もしっかりと上げて、1キロでも速い球を投げられるようにしたい」と思いを再確認した。 再び本来の調子を取り戻すと6月12日のDeNA戦で今季1軍初登板を果たし、六回途中4安打2失点。勝ち負けはつかなかったが、しっかりと試合を作った。結果で安定感を示すと、中13日で迎えた26日の楽天戦で今季初勝利&先発初勝利。その日は「益田さんくらいロッテを背負える選手になりたい」と尊敬の目を向ける益田の球団最多228セーブ達成につなげた。 思い描くものは高い。「理想としてはやっぱりピンチになったときにギアを2段階、3段階上げられるように。三振を取りたい場面で三振を取ったり、1年間を通して調子の波を一定にするというのも大事。勝負どころでしっかり結果を残せるのが自分の先発像。今の理想なので、そういう理想を描きながらやりたい」。兵庫・明石商高から入団4年目の右腕は、まだまだ上だけを見て突っ走る。(ロッテ担当・森祥太郎)