男女交際や服装も政府が規制 とくに女性に厳しいイスラム教 イラン
イスラム教の国と言っても、超保守的なサウジアラビアやアフガニスタンのような国から、世俗的なトルコやレバノンなど市民への締め付け具合も違うので一括りにはできないが、男女交際や、個人の服装まで政府が規制するのは、やはり行き過ぎの感が否めない。おまけに規制対象になるのはだいたい女性の方だから不条理極まりない(偏屈なイスラム保守派の男たちにとっては、それも「彼らの」道理にかなっているのだろうが)。 イランの若者たちは、他のイスラムの国々に比べて政治に関する関心が高く、人権に対して敏感だと聞く。この国の人口はおよそ7千7百万人だが、60パーセント以上が30歳未満の若者たちだ。この全てがリベラルではないにしても、政府にとって無視できない圧力になり得る多くの若者たちの存在は、社会の極端な保守化を防ぐ防波堤のような役割を果たしているのかもしれない。
これを書きながらふと日本のことを考えた。安倍政権のもと、日本の保守化、右翼化は進むばかり。おまけに原発や米軍基地など理不尽な政府の暴挙が平気でまかり通っている。それなのに、政府に歯止めをかけるべき肝心の若者たちのほとんどは無関心。将来自分たちや自らの子供たちがそのツケを払わされるはめになるというのに、投票に行くことさえしない体たらくだ。 ひょっとして日本がイランよりも息苦しい国になるのも、そう遠い未来ではないかもしれない。 (2014年6月撮影)