マンホールのフタ「売れるんです」 愛知・豊橋市で人気、1枚3万3000円も その使い道は?
メ~テレ(名古屋テレビ)
愛知県豊橋市が1月、一般向けに販売を始めたのは、下水道用のマンホールのフタ。古くなって交換された使用済みのものですが、これが意外にも人気商品なのだそうです。 「豊橋市上下水道局です。敷地内には更新されたマンホールのフタが大量に並んでいます」(羽多野裕也記者) 老朽化したマンホールのフタを年間で100枚前後、交換・回収しているという豊橋市。 「マンホールは『設置してから何年』というのが交換の目安。下水道がつながるところが広がったので、毎年更新するものが増えていく」(豊橋市上下水道局 下水道整備課 佐藤洋介さん) 一般的にマンホールのフタの耐用年数は、車道用のもので約15年。歩道用は約30年だといわれています。 下水道事業が始まってから90年以上の豊橋市。整備エリアも広がり、衛生的にも便利になりましたが、それに伴い増えてくる老朽化したフタ。豊橋市だけの問題ではありません。
古いフタはスリップ事故の原因に
「全国にすべての下水道マンホールのフタが約1600万基あると想定していて、そのうち約350万基が老朽化していると推定している」(日本グラウンド マンホール工業会 大石直豪 事務局長) 老朽化したフタをそのままにしておくとーー。 「雨の日などにオートバイや乗用車のスリップ事故の原因になる」(大石事務局長) 古いものはなるべく早く交換する必要がありますが、豊橋市によりますと、交換には1枚当たり30万円から40万円ほどの費用がかかるといいます。
庭石や踏み台、店の飾り…
そこで豊橋市では5年前からあることをしています。 案内された部屋には…。 「こちらは一般の方向けに販売するマンホールのフタです」(佐藤さん) 豊橋市では、老朽化などを理由に回収したマンホールのフタの販売を行っているといいます。 しかし、ここで疑問が…。売れるんですか? 「売れます。マンホールのフタ自体が豊橋市のデザイン。オリジナルのデザインなので、マンホールのフタを集める人、家で楽しみたい人、いろいろな目的をもって買ってもらえる」(佐藤さん) なかには、庭石の代わりにする人もいるということです。 入札形式で、最低額は3000円。過去には3万3000円で落札されたこともあるといいます。 「販売すれば、みなさんに下水道のことを知ってもらえるし、我々のほうは捨てていたものを販売するので収入にもなるので、お互いにいい結果になっている」(佐藤さん) 豊橋市によると、ほかにも色を塗って自分が経営する店舗に飾る、庭のシンクや踏み台・土台に使う、来客があった時のネタにするなどの使い方があるそうです。 豊橋市は、17日までメールやホームページなどを通して入札を受け付けています。