【密着】巨匠との運命的な出会いから、ロンドンで眼鏡職人として奮闘する息子へ届ける両親の想い
将来的には自分の工房を構えて、デザインから納品まで全てをひとりで手掛けたいという慧斗さん。すでにその夢に向かって動き出しているが、奇しくも父が転職した時と同じ年齢になった。慧斗さんの実家は今年で30年になるカレー専門店。グラフィックデザイナーだった父が30歳を前にデザインの世界を離れ、母と一から立ち上げた店だ。最近ふと考えるのは、父がデザイナーを辞めた理由。家族ができたタイミングで、今後デザインで食べて行けるのかと考えたのだろうか…そして「僕も好きなことと、時間と、お金と、幸せ。そのバランスを考えてやっていかないといけないのかな」と自分を重ね合わせる。 高校時代の1本の眼鏡を出発点に、海の向こうで製作に打ち込む息子の姿を見た父・泰さんは「親としてはなぜ眼鏡なのだろうと思っていたのですが、本人には眼鏡が大きなものに見えたんですね」と納得した様子。また、29歳になった慧斗さんが抱える思いを知り、自身がグラフィックデザイナーからカレー店に転身した理由も明かす。
夢に向かって歩みを進める息子へ、父からの届け物は―
いつかは自分のデザインした眼鏡をお客さんの元へ届けたい。夢に向かって歩みを進める息子へ、父からの届け物はデッサン画。泰さんが久々に筆をとり、慧斗さんが初めて作った眼鏡の絵を描いた。さらに手紙には、息子が製作の道に進んだことへの驚きとともに、「父も自分で何が本当に向いているのか試行錯誤し、デザイナーから現在の仕事を30年前に選びました。君もきっとその時期を迎えるときがくると思います」と人生の岐路について綴られていた。 「結局、父親が元々やっていたデザインという仕事に近いことをやっているので、知らず知らずのうちに父親の背中を追ってきていたのかな」と慧斗さん。そして、「自分もその中でいろいろなことを経験して、いずれ進む道を選ぶ時が来るんじゃないか。それまでは今の道を究めていきたいと思いました」とすがすがしい表情で語るのだった。 (読売テレビ「グッと!地球便」2024年11月3日放送)
読売テレビ「グッと!地球便」